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SMA(ソニー・ミュージック・アーティスツ)が新たに立ち上げたブランド「SMA_Stage」の第一弾として、1990年代にカナダで初演され人気を博した戯曲『ハイライフ』を演出します。Open Reel Ensemble吉田 悠をはじめとした3人の音楽チームと、映像作家・清水貴栄による映像表現をコラージュし、戯曲に新風を吹き込みます。
SMA_Stage第1弾『High Life』
作:リー・マクドゥーガル 翻訳:吉原 豊司 演出:谷 賢一
出演:古河 耕史、細田 善彦、伊藤 祐輝、ROLLY
音楽:吉田 悠(open reel ensemble)、吉田 匡(open reel ensemble)、山口元輝(moltbeats)
映像:清水貴栄(DRAWING AND MANUAL)
2018年4月14日(土) 〜 28日(土)
会場:あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)(アクセス)
公式サイト
SANKEI EXPRESSおよび産経新聞でやっていた、演劇コラムの連載が終わった。2年半やったかな。
過去に私を規定する力はないはずだ。しかし私は経験の蓄積によって成り立っている。
原作:平野啓一郎
構成・演出:谷 賢一 音楽・演奏:かみむら周平 振付:宝満直也
出演:
水夏希、横関雄一郎、榊原 毅、彩吹真央/久保田秀敏 (Wキャスト)
* * *
平野啓一郎原作の小説『一月物語』を、構成・演出します。生演奏による音楽とバレエダンサーによる舞踊を組み合わせた、新しい形のリーディング公演です。単なる「リーディング」を超えて、音楽とダンスの力により観客の無限の想像力を引き出し、原作の耽美で妖しい魅力に迫ります。
という告知文を書いている今はもう、初日のあけた後なのですが、音楽・かみむらさん、振付・宝満さん、そして映像・松澤さんとのテクニカルなコラボレーションは実に豊かな時間でした。それぞれがそれぞれの専門家としての視点から提案しつつ、お互いの音や動きを感じ合って微調整していく。コラボレーションという言葉も乱用されすぎで、ただ一緒にやったら「コラボ」と呼ばれることも多いけれど、今回のかみむらさんたちとの「コラボ」は本当のコラボでした。僕自身、音とダンスにこんなに世界観を広げてもらえるとは思っていなかったし、完成する頃になってようやく「僕はこういうものが作りたかったんだ」と、逆に教えられたくらい。演出家のイメージを超えるのがキャストやスタッフの仕事ですが、それをやってくれたコラボでした。
出演者も全員素敵です。特に主演の水さんの、真摯さと人柄には惚れました。包容力があるのに驕り高ぶらず、謙虚なのにプライドの高い、俳優として見事な居住まい。「私、”調べ魔”なんです」と自白していたが、一単語一単語、どこまでも細かく調べて稽古場に臨み、僕の一言一言にも全力でリアクトしてくれる、意識の高い方でした。あとすごいセクシー。これって大事なことですよね。知的でセクシーでもあるなんていうのは、とっても難しいことですから。
年の離れた友人だったような人たちが、昨年から今年にかけて立て続けに亡くなって悲しい。
私のここ数年の集大成的な作品『三文オペラ』が終わり、その回顧に浸る間もないまま、次の作品、その次の作品へと思いと時間を駆り立てられ、寝ても覚めても仕事をしつつ、その狭間にひたすら酒を飲んでいる。病気である。治す気のない病気である。