【執筆】朝日新聞出版の月刊誌『Journalism』2020年2月号「特集 原発と民主主義」に寄稿しました。約9000字の長い論考です。『福島三部作』の内容を例にとりながら、民主主義の制度的な欠陥、すなわち過去と未来について議論することの難しさについて語っています。https://t.co/oJIIcVT4v6
— 谷賢一 (@playnote) February 9, 2020

劇作家・演出家・翻訳家、谷賢一のウェブサイト
イギリスの作家ダンカン・マクミランが物した大変珍しい戯曲を翻訳・演出します。これは確かに演劇……なのだが、出演俳優は一人。しかし一人芝居……ではなく獣医や父親、恋人などたくさんの役が出演して、しかもそれらは俳優ではなく観客によって演じられるという。観客参加? ヤバい、寒そう、と普通なら思うだろうけれど、そこがこの作品のすごいところで、非常にスマートかつオシャレに観客をいつの間にか劇の中に「出演」させてしまうのです。
あらすじ(俺が勝手に書いたやつ):
文責:谷賢一
母さんが自殺未遂をしたあの日から、僕はリストを作り始めた。この世の中の、ありとあらゆる素敵なもの、生きていてもいいかなと思わせてくれるものたちのリスト──。リストはやがて100を超え、1000を超え、育っていくが、僕にも大きな変化が起きる。僕は恐れている、自分もいつか母さんのように、自分で自分を傷つけてしまう日が来るのでは? と……。
1月25日から東京芸術劇場で東京公演をやって、そのあと新潟・松本・名古屋・大阪茨木・高知と日本全国をツアーします。これは一つの新しい演劇の形。ぜひ観に来て下さい。
このたび昨年執筆した福島三部作・第二部『1986年:メビウスの輪』という作品で、第23回鶴屋南北戯曲賞を頂きました。これは新人賞である岸田國士戯曲賞と違って、むしろ中堅やベテランがもらう賞であり、それは昨年の受賞者が平田オリザさん、その前が岩松了さん、その前が蓬莱竜太さんであることからもよくわかります。
僕はまだ岸田も取っちゃいませんし、三十代半ばですから、普通に考えたら取れるわけのない賞です。賞金額も国内では一番高く、最も栄誉ある賞と言えます。そういうわけでノミネートされたときには「まさか取れまい」「ノミネートされただけでも光栄」くらいに思っていましたが、幸運が重なって受賞してしまいました。
「幸運」と言うのは謙遜ではなく、書いたのは確かに自分ですが、ほとんど福島という土地や題材・出会った人々によって書かせて「もらった」感じのする作品であり、ちょっと力加減を間違えていたらこうはなっていませんでした。しかもその力加減は僕が自分で計算したものではなく、取材を重ねる中で出会った言葉たちが自然と教えてくれたものです。ですから自分の実力と言うよりは、ほとんど幸運、巡り合わせでもらえたようなものだと実感しています。
KAAT神奈川芸術劇場に小屋入りしています。12/12(木)からシェイクスピア『マクベス』の超現代版の翻案上演を行います。劇団DULL-COLORED POPの第21回本公演であり、同時にKAAT神奈川芸術劇場との提携公演にもなります。
原作 ウィリアム・シェイクスピア
翻案・演出 谷賢一
翻訳 松岡和子(ちくま文庫)による
出演者:東谷英人、大原研二、倉橋愛実、宮地洸成、百花亜希(以上DULL-COLORED POP)、淺場万矢(柿喰う客)
劇中音楽: 志磨遼平(ドレスコーズ)
会場:KAAT神奈川芸術劇場大スタジオ
12月
12(木) 19:00~
13(金) 19:00~
14(土) 13:00~、19:00~
15(日) 13:00~
16(月) 19:00~
17(火) 休演日
18(水) 19:00~
19(木) 13:00~、19:00~
20(金) 19:00~
21(土) 13:00~、19:00~
22(日) 13:00~
朝日新聞の書評欄に、書評を執筆し、掲載されました。一生懸命書きました。
戯曲集『福島三部作』の出版を記念して、演劇ジャーナリストの徳永京子さんと演劇ライターの田中大介さんとトークイベントを開催します。徳永さんは演劇記者としては随一の人ですから、とても濃いお話が聞けると思います。気軽な会ですのでどなたでもふらりとご参加お申込み下さい!
【新着イベント】11/27 Wed
https://twitter.com/book_and_beer/status/1190145384930131969?s=19
谷賢一×徳永京子×田中大介
「シモキタでフクシマと演劇を思う夜」
戯曲『福島三部作』(而立書房)刊行記念
https://t.co/Df0P8DWVos
小劇場や演劇のこれからについて語り合う演劇ナイト!