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11/10(木)、日本酒によるドラマだ

双葉町出身で今一緒にアーティスト・イン・レジデンス事業の立ち上げを相談している高崎丈さんの店、「高崎のおかん」に行ってきた。「熱燗師」を名乗る丈さん。完全予約制、メニューはコースのみ、お客さんはすべて19時に着席していて料理提供同時スタート。約3時間、完璧に計算された熱燗フルコースが楽しめる。こだわり抜かれたその食事はもうほとんど舞台芸術でありショーだ。メニューの順番や組み立てはもちろん、提供の順序、テンポ、タイミング、その間に挟まるMCのような説明トーク。店内音楽も専門家に作曲を依頼し、どのタイミングで何が流れるか完璧に決められているらしい。脚本・演出:高崎丈による熱燗のドラマだ。

突き出しからしてフグのお吸い物。白子の天ぷらやシカ肉のステーキなどお料理もすべて美味しかったが、それに寄り添う日本酒の味わい、マリアージュが見事。色んな味が口の中にあふれる。甘さ、爽やかさ、コク、切れ味、風味、香り、色。レモンを入れたりワインとブレンドしたり、果てはホイップしたミルクを乗せて「飲むみりん」まで味わった。普段雑にしか酒を飲まない自分は酒に謝りたい気持ちになった。いつもごめんね。

シメはまさかの卵かけご飯。鉄の釜で炊いた有機栽培の白米を、新鮮な卵と塩で頂く。今まで料理+酒が基本だったが、なるほど最後のサケは「コメ」そのものか。見事なラストシーン。

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