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青春、10月26日(水)〜10月28日(金)

すみません、体調不良でバテたりしてました。体調不良と言っても二日酔いなのですが、一昨日の夜にしこたま飲んで二日酔い……どころか何なら三日酔い、今日の昼過ぎまでずっと具合悪かった。↓にその盛会の様子を示します。

新宿歌舞伎町にある居酒屋「うまいもん 本店」。日本酒三種を同時に楽しめる「利き酒セット」メニューが10種類以上、いやもっとかな? とにかくたくさんある店で、私は午後7時から飲酒し始め、4時間くらいで記憶を失くしているのだが、どうやら深夜2時くらいまで飲んだらしい。日本酒をがぶがぶと。「冷酒と親父の小言は後から聞く」とはよく言ったものでひどい2日酔いに苦しめられることになる。いい大人が7時間も飲んじゃいけない。

なぜそんなに飲んだのかというと、上の写真、ここに写っているメンバーが悪いのだ。店は新宿。しかし集まったメンバーは福島県・浜通りに活動拠点を持つ演劇やデザイン・現代美術のアーティストたちである。「文化芸術の力で浜通りに力を」ということで会議をしていたわけだけれども、こんなに熱心に語り合う夜を僕は久々に味わった。劇団を旗揚げして間もない頃、20代にはそんなことばっかりしていたわけです。終電逃して、一体何の役に立つのか、演劇論や夢、次回作の構想やお互いへのダメ出しなんかを飽きずにずーっとやっていた。そういう青春を思い出す夜であった。

しかし確かにそうなのだ。浜通り、特に双葉町は、これから青春のときを迎える。我々アーティストだけでなく町役場の人や飲食業の人、農家さんもビジネスマンもみんなこれから「さぁ新しく町を作ろう」という大きな仕事に取り掛かる。それは夜明けと言ってもいいし、青春でもある。僕は人生で2回も青春をやれるのかと思うと嬉しい。

なので飲み過ぎた。2回目の青春だからと言って、愚かしさまで繰り返す必要はないのだが。初めてお会いする方もたくさんいたが「マジで福島浜通り、喧嘩してる場合じゃないよね!」と意見が合った。演劇、美術、デザイン、映像、それぞれのアートが手を取り合えば、さらなるシナジー(相乗効果)が生まれる。

新国立劇場・演劇研修所での授業にはちゃんと行っている(2日酔いでも行く)。「まずは徹底的に、戯曲のわからないところ、知りたいところを掘り下げよう」「自分の好きなとこ調べてきておくれ」と生徒に振ったら、ある生徒が劇中に出てくる飲み物を試作してきてくれた。素晴らしい仕事だ。その飲み物はちょっとトリッキーな書かれ方をしている上に、日本語に訳語が存在しない単語が使われていたりするのでイメージが掴みづらい。おまけに100年前の飲み物だからもう手に入れることもできない。そこで「近いもの」を「近い食材」を使って自作してきてくれたというわけだ。

信じられないだろうけれどもこの台詞、「ストローベリー・ソーダ」は正確にはソーダじゃないし、「クリーム・ソーダ」は日本のものとは色も味も全然違う。そして最終的に注文する「ストローベリー・クリーム・ソーダ」は「ストローベリー・ソーダ」とも「クリーム・ソーダ」とも違うものなのだ。わかるか、そんなもん。でも僕らは上記の写真のように実物でイメージを掴んだので絶対に間違えない。この3つの飲み物の「違い」がわかることで、エミリーがジョージを、そしてジョージがエミリーをどう思っているのかが読み取れる。

こういう小さな調べごとをするのは大変だけれど、きちんとやっておくと必ず演技に生きる。本当に楽しくやろうと思ったら楽をしてはいけない。むしろつらい、面倒な仕込みをたくさんして、苦しい苦しい時間をたくさん味わうことでしか、本当に「楽しい」演劇体験はできない。それは演劇屋でもラーメン屋でもビジネスマンでも同じだろう。

ま、なんかそういう標語を意識高い系のラーメン屋でこないだ見たのでそのままパクって書いただけです。意識高い系のラーメン屋はどうしてすぐポエムを壁に書いてしまうのか。カレー屋とかうどん屋で見たことないからラーメン屋特有の現象な気がする。

二日酔いも治ったので明日もバリバリ働きます。

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