すっごい時間かけて審査していた、オーディションが終わりました。書類のあと、演技審査で2日やって、そこから10日くらいかけて何度も脳内会議や再演をし、厳正に審査をさせていただきました。
ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。公演は来年2月を予定しています。ぜひ、観に来てください。
以前、とある演劇プロデューサーにこんなこと言われた。
「オーディションってのは、あれはキャスティングする側が、自力でいい人を見つけられなかったときにやるものなのよね。『誰かいい人、紹介してください』ってこと」
「だから、プロデューサーの立場からすると、フルオーディション公演とか、それ自体を目玉にしたい!というとき以外、オーディションでとるっていうのはちょっと名折れなのよ。『自分には見つけられませんでした』ってことだから」
「つまり、オーディションは『来てもらう』って立場。だから僕は、『落とす』とは言わない」
「参加費で何千円もとるようなオーディションは、詐欺だよ。あれであっさり、数十万円、稼げちゃうんだから。参加費3000円で、100人来たら30万円でしょ? 詐欺だよ。大きなオーディションなら1000人とか来るんだから、300万だよね。いたずら防止の意味もあるし、テキスト代とかの名目で500円とか1000円とるのはわかるけど、ちょっとおかしいよね」
10年前くらいに聞いた話だ。最近のコンプラ意識を受けての発言ではなくて、昔ながらのオーディション流儀ってことだろう。「これが絶対正しい」という意味じゃなくて、彼なりのプライドとか、自負ということであって、もちろんオーディションで新たな出会いを得ること自体は悪いことじゃない。ただなんか、日本で「落ちた」「落とされた」「参加させていただきます」なんて言葉づかいを見ていると、ちょっと違和感はある。そこは対等なはずだ(逆に僕は「ダメ出し」みたいな悪意のない言葉を刈ることにも抵抗がある)。
アメリカでは俳優の労働組合が強い。なので、そもそも、オーディションは参加費をとること自体がNGだ。値段が高いとか安いとかじゃなくて、参加費とること自体がダメ。別に法律には抵触しないが、「オーディション参加費2000円です」とかやってるカンパニーなりプロダクションは、俳優組合ぜんぶからボイコットされる。結果、誰も参加者が誰も集まらない。日本も労組、作った方がいいよね。
イギリスでは、初回審査が終わったあと、コールバックといって2次・3次と審査をやる場合には、俳優にギャラが出る。50ポンドとか。50ポンドってだいぶですよ。日本円にして1万円以上。……でもまぁ、プロの弁護士でも大工の棟梁でも、呼んだらそれくらいかかるもんな。専門家を呼ぶってのは、そういうことだ。
要は、そこかもしれない。「今度、こんなすごいもん建てるんで!」と言って、人を探すとき、集める側も、集まる側も、専門家として扱う。それだけのことかもしれない。
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以下、次回公演の支援者向けに、キャスティングの手応えと、ちょこっとだけ今後の話をします。いつも応援、ありがとうございます。