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和解のお知らせ

このたび原告・大内彩加氏より提訴されていた民事訴訟について、裁判所から裁定和解に至る考えが示され、双方合意の上、和解解決に至りましたことをご報告致します。

事実と異なる点についてはこの先名誉毀損の訴えを起こし白黒を明らかにする覚悟でいましたが、今回裁判所から提示された文書により、性行為の強要がなかったこと、その他重要な点において私の主張が受け入れられたと言えることから※1、訴訟の長期化による疲弊も著しいことも鑑み、和解に同意し、裁判を終了することに致しました。

原告とはすでに和解を済ませ、本件についてはもう争いません。当事者間では解決したことをご理解いただき、皆様方も冷静に見守っていただくようお願い致します。私自身は裁判所の判断の通り、原告からの積極的言動(裁判所の言を用いると「迎合的な態度」)があったとしても身体接触はすべきでなかったと反省しています。原告ならびに関係者の皆様に深く謝罪します。

しかし、依然として世間では実際の事実経過を無視して、私が一方的かつ悪質な加害を続けたという名誉毀損が広まってしまっています。これらについては訂正や削除を求めていきますが、自発的に削除、ないし訂正して下さることを希望します※2

私はこの件で福島で準備していた公演を中止された他、向こう2年半分、全く無関係な計7つの公演の脚本や演出の仕事をキャンセルされました。SNSで激しい誹謗中傷を浴び、殺害予告のメールや不審人物による自宅襲撃を受けました。裁判そのものよりそういったネット炎上に最も苦しめられたと言えます。客観的な事実が分からないうちに憶測や噂を広め、仕事や社会での居場所を奪うキャンセルカルチャーについて、改めて疑問を投げかけたいと思います。

そして残されたデジタルタトゥーは簡単には消えません。本件も当初はテレビなどで「演出家によるレイプ」として大きく報道されましたが、こうして疑惑が解消されたことについては同じように広くは扱ってもらえないのではないかと懸念しています。地道に努力し、信頼回復に努めて参りますが、何卒皆様のお力添えを頂ければ幸いです。

書きたいことがたくさんあります。この2年間で考えたことや、やっていたことなど、今後少しずつ発信していきます。最後にあらためまして、公演中止でご迷惑をおかけしたお客様、また私の作品を楽しみにしてくれていた皆様には、再び深く頭を下げ、心からお詫び申し上げます。

そしてこの困難な期間に、私を励まし、支えてくれた貴重な仲間や友人たち、温かい言葉を寄せてくれたお客様方に、心から感謝します。本当にどうもありがとうございました。

令和6年11月27日 谷賢一

〔裁判所による裁定和解に至る考え〕

本件においては、劇団の主催者(被告)による劇団員(原告)に対する行為が不法行為となるかどうかが問題となっている。具体的には、①被告が、原告の胸部や臀部を複数回触ったことに関し、原告の同意があったかどうか、②被告が、原告の意に反し、性行為を強要したかどうかが主たる争点となっている。上記①の点については、原告が迎合的な態度を示すことがあったとしても、劇団の主宰者と劇団員という立場の差に鑑みると、原告の真摯な同意があったとは認め難く、一定の不法行為責任が生じ得る行為であったといえる。一方、上記②の点については、原告の立証に隘路があること、また、行為があったとされる時期に照らすと時効が成立し得ること等の事情を踏まえると、不法行為責任を追及するのは困難といえる。

以上の事実関係の下で、原告と被告の双方が、当審において和解することにより早期に紛争を解決させる道を選択し、本件を教訓としつつ、それぞれの舞台に可及的速やかに復帰し、それぞれの有する能力を最大限に発揮して、我が国の演劇界がこれまで以上に豊かで健全な表現・創作活動を行う場となり、我が国の文化が更に発展することを期待して、以下の条項のとおり合意するのが相当と思料する。


※1 本件では「物的証拠」が存在しないことは当然ですが、「犯行後」の証拠として提出された午前3時11分友人宛LINEにつき、「(被害の)気持ちを吐き出したくなって、シャワーを浴びた後、谷が入って来ないようにとドアを閉めたシャワールームからLINEを送った」(原告第1準備書面49頁)と詳細な説明をしていたのが、GPS記録(午前3時4分に現場到着)により当該時間帯のアリバイが証明されると「犯行前に送ったものだった」(原告第2準備書面10頁)と変遷しました。これら時間や前提などが矛盾した主張について、裁判では原告のストーリーが破綻していると主張してきました。このことを裁判所文書では「原告の立証に隘路がある」(隘路:問題、困難、狭くて通りづらい道)と表現しているのだと考えております。その他、重要な反論を複数展開しております。詳しくは訴訟記録をご覧下さい。

参考
https://www.playnote.net/2024/10/11/1011/

※2 私は当初から訴訟内で主張を尽くすこと、訴訟記録に基づき客観的に判断頂きたい旨を述べてきました。しかし訴訟記録も確認せず、ネットの伝聞やキリトリを拡散するアカウントが多く見られます。度が過ぎるものについては、今後、止むをえず法的措置をとらせて頂くつもりですのでご留意下さい。

4 Comments

  1. さらこ さらこ

    長い間の戦い、お疲れ様でした。
    私に限らず、多くのファンは、当初から何が真実かわかっていたと思います。そして、信じていました。こうして司法の判断が下されたことは何よりの喜びです。まずはよくやすんで下さい。そしていつか新作でお会いできることを楽しみにしています。

    • コメントどうもありがとうございます。そう言って頂けるとほんの少し肩の荷が降りる思いです。今の世の中、どんな形でも創作や発表は続けられるとわかりましたので、近い内にお目にかけられますよう努力しますから見ていて下さいませ。あらためてどうもありがとうございました。

  2. 塩木 塩木

    貴君のファンとして長年作品を追っていましたが、こんな形で活動が中断されたこと、心を痛めていました。裁判所文書をしっかり読めば、そして(わたしは裁判記録も読みましたが)裁判記録も読めば、貴君の主張が初期から最後まで筋が通っており、逆に原告の「隘路」は歴然であることはよくわかります。大手を振って、明るく楽しく、また作品を提供なさってください。ネットで騒いでいる大勢、その大半は、劇場にも演劇にも興味のない、足を運ばない人たちです。気にすることはないですよ!

    • わざわざ裁判文書まで閲覧頂きありがとうございます。その上での声援は大変嬉しく、かつ重たいものだと受け止めております。仰る通り、何か発表する段ともなれば「明るく楽しく」やらなければなりませんね。長らく縁を断ってきましたので、社会復帰を一歩ずつ踏みしめつつお目にかかる日を目指して精進したいと思います。コメントどうもありがとうございます。

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