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投稿者: 谷 賢一

作家・演出家・翻訳家。1982年、福島県生まれ、千葉県柏市育ち。
http://www.playnote.net/profile/

データで語る重要性~「なんとなく」危ないと語ることの「とてつもない」危なさ~

福島のことを話していると時々、こんなような言葉に出くわします。

「とは言っても、やっぱり危ないんでしょ?」
「統計には出ないレベルで健康被害が出てるんじゃない?」
「除染したって言っても、本当はガンが、奇形が……?」

いずれも「データや統計はない」が「危ないだろう」、あるいは「データや統計自体を信じられない」というような意見です。一見、良識的にも見えるこういった言葉が、実は「やっぱり福島の野菜はちょっと」「住んでたらガンになる」等の風評被害を後押ししていること、そしてそれが実は人の命さえ奪っていることを、多くの人に知ってもらいたいと思い、この記事を書きました。

翻訳・演出『17 AGAIN』

脚本:マルコ・ぺネット 作曲・作詞:アラン・ザッカリー&マイケル・ウェイナー 翻訳・演出:谷賢一 訳詞:高橋亜子 音楽監督:長谷川雅大

マイク(マーク):竹内涼真
スカーレット(妻):ソニン
ネッド(親友):エハラマサヒロ
マギー(娘):桜井日奈子
アレックス(息子):福澤希空(WATWING)
スタン(マギーの彼氏):有澤樟太郎
マスターソン校長:水夏希

マーフィーコーチ / 用務員:角川裕明
ネイオミ:安田カナ
ディーン:大原研二

(以下五十音順)岡田治己、小原悠輝、松谷嵐、鯨井未呼斗、長澤仙明、松村桜李、熊澤沙穂、坂口杏奈、佐藤彩香、中西彩加、町屋美咲、森莉那

公演日程

2021年5月16日(日)~6月6日(日)
東京都 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)

2021年6月11日(金)~13日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール

2021年6月18日(金)~20日(日)
佐賀県 鳥栖市民文化会館 大ホール

2021年6月26日(土)
広島県 広島文化学園HBGホール

2021年6月30日(水)~7月11日(日)
愛知県 御園座

ウェブサイト

https://horipro-stage.jp/stage/17again2021/

『戯曲 福島三部作』が、「脱原発を目指す文学者の会」文学大賞を受賞しました

谷賢一著『福島三部作』正誤表

而立書房から刊行されている『福島三部作』(第一版・第二版)の正誤表……というか、訂正です。

p73 『Round Midnight』→『ブリリアント・コーナーズ』
p122 登場人物表の吉岡、「双葉町議・平島」→「福島県議・平島」
p129 忠の台詞、後ろから7行目「なりなせん」→「なりません」
p129 忠の台詞、後ろから6行目「追求」→「追及」
p136 忠の4つ目の台詞、「経済産業省」→「通商産業省」
p163 最後から2つ目の吉岡の台詞「追求」→「追及」
p173 美弥の3つ目の台詞、「なんだかなんね」→「なんだかんね」

TPAM版・福島三部作、終演しました

最後のカーテンコールを見守る舞台監督・竹井の後ろ姿

TPAM=国際舞台芸術ミーティング in 横浜版、福島三部作再演、全日程ぶじ終了しました。ご来場頂いた皆様、支えて下さった方々、どうもありがとうございました。

約半月で3部作分ぜんぶ思い出し稽古をし、毎日1つ&3日連続で初日を開けて、その後3日連続で3部作連続上演を行う……という狂気のスケジュール。1つ初日が開けてもその10分後には「さぁ、明日の第二部へ飾り替えだ」「場当たり前に確認しておくことは……」とすぐに動き出し、演劇作ってるはずなのにまるでベルトコンベアで流れ作業をしているような、凄まじい日々を送りました。

僕も大変だったけれど、スタッフはもっと大変だったでしょう。照明・音響はシフトを組んで交代しながらやっていたけれど、ずっと全体を統治していた舞台監督竹井&演出部さわちゃんは、10円ハゲの1つや2つ、できていてもおかしくない。彼らは今回時間がないことを見越して、稽古に入る前にすべての役物(演技に関わる小道具や衣裳・セットなど)を用意し、初日からフルスケールで通し稽古ができるように準備してくれていた。こんなことは、よほど規模の大きな商業演劇の現場でもなければあり得ないことだ。

わたし個人的にも、作品との向き合い方が大きく変わった。いい機会を頂いた。実を言うとTPAMの話が決まるまで、福島三部作は当分封印、なるべく触らないようにしよう……とさえ思っていたのだ。

2021/01/09〜2021/01/10

2泊3日で福島にいた。2021/01/09、鈍行のJRでひたすら北上し、水戸で一度下車、納豆定食を食べ、偕楽園を訪れ、さていざ水郡線へ……というところで愉快なタクシー運転手さんに捕まる。

「今日は袋田の滝が見どころだよ。凍ってんの! 珍しいよ。こんなの、何年もなかったことなんだから」

値段の交渉をし、袋田の滝へ。途中何箇所か道の駅や土産物屋にも寄ってもらい、ワンカップの地酒、奥久慈のクジカップを飲みながら向かう。

凍る袋田の滝

常陸大子の駅には何故かライトアップされたSLが停まっていた。

銀河鉄道みたいじゃあないか

常陸大子駅から水郡線に乗り、磐城石川駅を超えて「川辺沖」で降り、懐かしのレストラン独留馳へ。注文は当然、サーロインステーキ。

リブロースステーキだっけ? 2480円だっけ?

タクシーで猫啼温泉へ移動。途中、石田の実家に立ち寄るが、うっすら電気が点いていたので中まで入るのは遠慮する。もうあの家は、僕らの家ではないのだ。

温泉でゆっくりして、翌朝、郡山へ出発。道中ではトム・ストッパード『ロックンロール』、ノエル・カワード『スイートルーム組曲』などを読む。

無人の磐城石川駅

郡山から新幹線に乗り、福島、仙台を経由して浜通り、双葉町へ。新しくできた2つの施設、「東日本大震災・原子力災害伝承館」と「双葉町産業交流センター」を訪れる。2020年3月14日に常磐線が開通して、双葉町は陸の孤島ではなくなかった。しかし駅前も町中も無人で荒涼としており、むしろ寂しさが増したようでさえあった。それがようやく人の集まる施設がオープンしたというのだ。ぜひ言ってみたいじゃあないか。

双葉町産業交流センター内部の様子。土産物屋さえあって、見違えるほど賑やかです。

そして双葉町で飯が食える。なんてことだ!

なみえ焼きそば、600円。つけ汁100円と生卵50円を添えて。

食べるとは、生きることだ。死んでいたこの町が、ようやく息を吹き返した。生き始めた。

窓の外には相変わらず広大な平野が広がる。地震と津波と放射能で何もなくなってしまった。

東日本大震災・原子力災害伝承館も見た。説明では1時間もあれば見終わるとあったが、2時間かかっても見切れなかった。話が違うじゃないか!

内容は充実していたが、本当に疲れた。震災と原発事故をダイジェストで見るようなものだったからだ。
双葉駅前には「双葉アートディストリクト」と銘打ち、ストリートアートが作成されていた。

その後いわきへ移動し、あんこう鍋を食べた。昨日の陽気なタクシーの運ちゃんに「この辺はあんこう、あんこうと言えば鍋、あんこう鍋ならどぶ汁に限る」と言われ、あちこち電話をかけまくり、ようやく出している店を見つけたのだ。あんこう鍋は濃厚でコクが深く、部位ごとに様々な味と食感が楽しめて、一言で言って最高であった。

夜、悲劇喜劇の原稿を書く。「ゴーストタウンと、一杯の焼きそば」と題したが、久々になかなか楽しく、集中して書けた。今年はそういう年にしたい。こだわって書きたい、突っ張って生きたい。妥協や打算はもうたくさんだ。

TPAM再演『福島三部作』

以下の通りです。

脚本:PARCO『チョコレートドーナツ』

トラヴィス・ファイン監督、2012年公開の映画『チョコレートドーナツ』が演劇化。演出は宮本亞門。僕は脚本・翻案を担当しました。

原作:トラヴィス・ファイン/ジョージ・アーサー・ブルーム
(トラヴィス・ファイン監督映画「チョコレートドーナツ(ANY DAY NOW)」より

翻案・脚本:谷賢一
訳詞:及川眠子
演出:宮本亞門

期間:2020/12/07 (月) ~ 2021/01/31 (日)

出演:東山紀之、谷原章介、堀部圭亮、八十田勇一、妃海風、まりゑ、大西多摩恵、下総源太朗、エミ・エレオノーラ、矢野デイビット、高橋永、丹下開登(ダブルキャスト)、穴沢裕介、佐々木崇、高木勇次朗、シュート・チェン、米澤拓真、モロ師岡、高畑淳子

https://stage.parco.jp/program/choco/

DULL-COLORED POP『福島三部作』TPAM再演