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PLAYNOTE Posts

トルストイ『アンナ・カレーニナ』

  

いつか読もう、いつか読もう……と思って本棚で眠っていたのを正月休みに引っ張り出してきてコツコツ読んだ。結局1ヶ月かかっちゃったけど、仕方ないよこれは。上中下って別れてるけど一冊の長さが普通の文庫本の3~4冊分はあるしさ。現代の小説読む10倍大変だった。

内容も、ちょっと最近の小説では味わえない読書体験であった。基本的には、とにかく退屈である。上巻は100ページくらい読んでも主人公アンナ・カレーニナが全く登場せず知らねえおっさんの不倫騒動とか社交界でのちょっとしたご挨拶とかが延々続いてのたうち回るくらい退屈するんだが、突然面白くなった。

機動戦士ガンダムZZを見たけれど

先日、富野ガンダムで唯一全話見てなかった機動戦士ガンダムZZを全話見た。前半はビーチャとモンドの利敵行為にイライラさせられ、中盤はリィナしか見えず猪突猛進を繰り返すジュドーにイライラさせられ、後半に入ってもプルに引っ掻き回され続ける展開にイライラさせられ、「俺は大人の戦争が見たいんだ」と思ったが、考えてみたらこれは子供が戦争させられる話であった。そこに感情移入できないのなら、もちろん見ても面白くないだろう。

翻訳・演出『エブリ・ブリリアント・シング』

やけにハッピーなチラシ

イギリスの作家ダンカン・マクミランが物した大変珍しい戯曲を翻訳・演出します。これは確かに演劇……なのだが、出演俳優は一人。しかし一人芝居……ではなく獣医や父親、恋人などたくさんの役が出演して、しかもそれらは俳優ではなく観客によって演じられるという。観客参加? ヤバい、寒そう、と普通なら思うだろうけれど、そこがこの作品のすごいところで、非常にスマートかつオシャレに観客をいつの間にか劇の中に「出演」させてしまうのです。

あらすじ(俺が勝手に書いたやつ):
母さんが自殺未遂をしたあの日から、僕はリストを作り始めた。この世の中の、ありとあらゆる素敵なもの、生きていてもいいかなと思わせてくれるものたちのリスト──。リストはやがて100を超え、1000を超え、育っていくが、僕にも大きな変化が起きる。僕は恐れている、自分もいつか母さんのように、自分で自分を傷つけてしまう日が来るのでは? と……。

文責:谷賢一

1月25日から東京芸術劇場で東京公演をやって、そのあと新潟・松本・名古屋・大阪茨木・高知と日本全国をツアーします。これは一つの新しい演劇の形。ぜひ観に来て下さい。

第23回鶴屋南北戯曲賞を受賞しました

中古レコード屋で見つけて買った、
エラ・フィッツジェラルドの『マック・ザ・ナイフ』

このたび昨年執筆した福島三部作・第二部『1986年:メビウスの輪』という作品で、第23回鶴屋南北戯曲賞を頂きました。これは新人賞である岸田國士戯曲賞と違って、むしろ中堅やベテランがもらう賞であり、それは昨年の受賞者が平田オリザさん、その前が岩松了さん、その前が蓬莱竜太さんであることからもよくわかります。

僕はまだ岸田も取っちゃいませんし、三十代半ばですから、普通に考えたら取れるわけのない賞です。賞金額も国内では一番高く、最も栄誉ある賞と言えます。そういうわけでノミネートされたときには「まさか取れまい」「ノミネートされただけでも光栄」くらいに思っていましたが、幸運が重なって受賞してしまいました。

「幸運」と言うのは謙遜ではなく、書いたのは確かに自分ですが、ほとんど福島という土地や題材・出会った人々によって書かせて「もらった」感じのする作品であり、ちょっと力加減を間違えていたらこうはなっていませんでした。しかもその力加減は僕が自分で計算したものではなく、取材を重ねる中で出会った言葉たちが自然と教えてくれたものです。ですから自分の実力と言うよりは、ほとんど幸運、巡り合わせでもらえたようなものだと実感しています。

DULL-COLORED POP第21回本公演『マクベス』

原作 ウィリアム・シェイクスピア
翻案・演出 谷賢一
翻訳 松岡和子(ちくま文庫)による

出演者:東谷英人、大原研二、倉橋愛実、宮地洸成、百花亜希(以上DULL-COLORED POP)、淺場万矢(柿喰う客)
劇中音楽: 志磨遼平(ドレスコーズ)

会場:KAAT神奈川芸術劇場大スタジオ

12月
12(木) 19:00~
13(金) 19:00~
14(土) 13:00~、19:00~
15(日) 13:00~
16(月) 19:00~
17(火) 休演日
18(水) 19:00~
19(木) 13:00~、19:00~
20(金) 19:00~
21(土) 13:00~、19:00~
22(日) 13:00~

朝日新聞の書評欄に、書評が掲載されました

朝日新聞の書評欄に、書評を執筆し、掲載されました。一生懸命書きました。

トークイベント「シモキタでフクシマと演劇を思う夜」

戯曲集『福島三部作』の出版を記念して、演劇ジャーナリストの徳永京子さんと演劇ライターの田中大介さんとトークイベントを開催します。徳永さんは演劇記者としては随一の人ですから、とても濃いお話が聞けると思います。気軽な会ですのでどなたでもふらりとご参加お申込み下さい!

【新着イベント】11/27 Wed
谷賢一×徳永京子×田中大介
「シモキタでフクシマと演劇を思う夜」
戯曲『福島三部作』(而立書房)刊行記念
https://t.co/Df0P8DWVos
小劇場や演劇のこれからについて語り合う演劇ナイト!

https://twitter.com/book_and_beer/status/1190145384930131969?s=19

『従軍中のウィトゲンシュタイン』語りえぬことを語る夜

好評発売中の『従軍中のウィトゲンシュタイン(略)』、の、発売を記念して、スペシャルトークイベントがあります。素晴らしい対談相手で今から緊張しています。

『従軍中のウィトゲンシュタイン』(工作舎)の著者、谷賢一さんと、『お砂糖とスパイスと爆発的な何か 不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門』(書肆侃侃房)が好評の北村紗衣さんによる刊行記念トークイベントを開催します。

時は第一次世界大戦。若き日の哲学者ウィトゲンシュタインと、彼を取りまく5人の男たちの生と死をめぐる対話劇。

気鋭の劇作家・演出家の谷賢一さんの戯曲と語り下ろしをまとめた一冊です。

シェイクスピアや舞台芸術史の研究者として多くの演劇を観てきた北村紗衣さんは、舞台『従軍中のウィトゲンシュタイン』をご覧になって、その年のベスト3のひとつに推してくれました。

男だらけの戦場のドラマを、フェミニスト批評家の北村紗衣さんはどう見たのか?

今、この時代にシェイクスピアを上演する意味とは?

演劇人の谷賢一さんと、古典演劇の解釈や上演文化を研究する北村紗衣さんとの対話をぜひお聞きください。

日 時:2019年11月9日(土) 開場18:30/開演19:00
場 所:Readin’ Writin’ BOOK STORE(東京メトロ銀座線田原町駅徒歩2分)
参加費:1,500円

ご参加をご希望の方は、お名前、連絡先を明記のうえ、readinwritin@gmail.comまでお願いします。

http://readinwritin.net/2019/09/20/