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PLAYNOTE Posts

取材する

DULL-COLORED POP次回作『丘の上、ねむのき産婦人科』のために取材を続けている。たくさんの妊婦さん、経産婦さん、あるいは不妊治療や人工妊娠中絶の経験者から話を聞いている。産婦人科で起きるドラマ。幅は広い。男性からも女性からも話を聞きたいが、やはり女性の比率が増える。

今日は4人話を伺った。千差万別とはまさにこのこと。妊娠・出産というキーワードがあるだけで、ほとんど共通点のない、非常に個人的な話が聞けた。僕も取材時に言っている、「私だけの/私にしかわからない話でもいいので教えて欲しい」と。

『福島三部作』でたくさんの人の生の声を聞く体験をして、僕の中で取材のイメージがずいぶん変わった。誤解されているかもしれないが、効率だけを考えれば、人に会う取材は非常に効率が悪い。本を読んだりネットの記事や書き込みを読む方が、情報収集の効率は遥かにいいだろう。だから僕も効率だけ考えたらひたすら図書館に通っていた方が広い情報を得られるはずだ。

でも目の前に人がいると(正確には今はほとんどZOOM、オンライン会議だが)、伝わってくるものがある。熱というか、心というか。インタラクティブでもあるから、深掘りしたい話題を掘り下げられる。一般化されない、証明もされていない、統計も出ていない、n=1でしかないが確実にそこに存在する魂の震え、そういうものに出会うことができる。

特に今回のような妊娠・出産のようなプライベートな話題では、直接取材は本当に意味があるなあと感じている。今日話を聞いた4人の違いと言ったら! お腹の子どもを愛せなかった人。十数年のトラウマに取り憑かれていた人。0.9%の奇跡を掴んだ人。母親や祖母への反動を感じていた人。キャリアを中断された人。自己実現できた人。子供を産むことで義務を果たしたような感覚を味わった人。

明日もまた頑張ろう。

データで語る重要性~「なんとなく」危ないと語ることの「とてつもない」危なさ~

福島のことを話していると時々、こんなような言葉に出くわします。

「とは言っても、やっぱり危ないんでしょ?」
「統計には出ないレベルで健康被害が出てるんじゃない?」
「除染したって言っても、本当はガンが、奇形が……?」

いずれも「データや統計はない」が「危ないだろう」、あるいは「データや統計自体を信じられない」というような意見です。一見、良識的にも見えるこういった言葉が、実は「やっぱり福島の野菜はちょっと」「住んでたらガンになる」等の風評被害を後押ししていること、そしてそれが実は人の命さえ奪っていることを、多くの人に知ってもらいたいと思い、この記事を書きました。

翻訳・演出『17 AGAIN』

脚本:マルコ・ぺネット 作曲・作詞:アラン・ザッカリー&マイケル・ウェイナー 翻訳・演出:谷賢一 訳詞:高橋亜子 音楽監督:長谷川雅大

マイク(マーク):竹内涼真
スカーレット(妻):ソニン
ネッド(親友):エハラマサヒロ
マギー(娘):桜井日奈子
アレックス(息子):福澤希空(WATWING)
スタン(マギーの彼氏):有澤樟太郎
マスターソン校長:水夏希

マーフィーコーチ / 用務員:角川裕明
ネイオミ:安田カナ
ディーン:大原研二

(以下五十音順)岡田治己、小原悠輝、松谷嵐、鯨井未呼斗、長澤仙明、松村桜李、熊澤沙穂、坂口杏奈、佐藤彩香、中西彩加、町屋美咲、森莉那

公演日程

2021年5月16日(日)~6月6日(日)
東京都 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)

2021年6月11日(金)~13日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール

2021年6月18日(金)~20日(日)
佐賀県 鳥栖市民文化会館 大ホール

2021年6月26日(土)
広島県 広島文化学園HBGホール

2021年6月30日(水)~7月11日(日)
愛知県 御園座

ウェブサイト

https://horipro-stage.jp/stage/17again2021/

『戯曲 福島三部作』が、「脱原発を目指す文学者の会」文学大賞を受賞しました

谷賢一著『福島三部作』正誤表

而立書房から刊行されている『福島三部作』(第一版・第二版)の正誤表……というか、訂正です。

p73 『Round Midnight』→『ブリリアント・コーナーズ』
p122 登場人物表の吉岡、「双葉町議・平島」→「福島県議・平島」
p129 忠の台詞、後ろから7行目「なりなせん」→「なりません」
p129 忠の台詞、後ろから6行目「追求」→「追及」
p136 忠の4つ目の台詞、「経済産業省」→「通商産業省」
p163 最後から2つ目の吉岡の台詞「追求」→「追及」
p173 美弥の3つ目の台詞、「なんだかなんね」→「なんだかんね」

TPAM版・福島三部作、終演しました

最後のカーテンコールを見守る舞台監督・竹井の後ろ姿

TPAM=国際舞台芸術ミーティング in 横浜版、福島三部作再演、全日程ぶじ終了しました。ご来場頂いた皆様、支えて下さった方々、どうもありがとうございました。

約半月で3部作分ぜんぶ思い出し稽古をし、毎日1つ&3日連続で初日を開けて、その後3日連続で3部作連続上演を行う……という狂気のスケジュール。1つ初日が開けてもその10分後には「さぁ、明日の第二部へ飾り替えだ」「場当たり前に確認しておくことは……」とすぐに動き出し、演劇作ってるはずなのにまるでベルトコンベアで流れ作業をしているような、凄まじい日々を送りました。

僕も大変だったけれど、スタッフはもっと大変だったでしょう。照明・音響はシフトを組んで交代しながらやっていたけれど、ずっと全体を統治していた舞台監督竹井&演出部さわちゃんは、10円ハゲの1つや2つ、できていてもおかしくない。彼らは今回時間がないことを見越して、稽古に入る前にすべての役物(演技に関わる小道具や衣裳・セットなど)を用意し、初日からフルスケールで通し稽古ができるように準備してくれていた。こんなことは、よほど規模の大きな商業演劇の現場でもなければあり得ないことだ。

わたし個人的にも、作品との向き合い方が大きく変わった。いい機会を頂いた。実を言うとTPAMの話が決まるまで、福島三部作は当分封印、なるべく触らないようにしよう……とさえ思っていたのだ。

2021/01/09〜2021/01/10

2泊3日で福島にいた。2021/01/09、鈍行のJRでひたすら北上し、水戸で一度下車、納豆定食を食べ、偕楽園を訪れ、さていざ水郡線へ……というところで愉快なタクシー運転手さんに捕まる。

「今日は袋田の滝が見どころだよ。凍ってんの! 珍しいよ。こんなの、何年もなかったことなんだから」

TPAM再演『福島三部作』

以下の通りです。