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月: 2021年8月

大阪へ

スズナリを終えて、夜、オンラインアフタートークもやり、翌朝6時の新幹線に乗れという鬼畜劇団。主宰しているのは私です。何も言えねえ。

エッセイ「劇を観るとはどういうことか」

昨年コロナでとある芝居が飛んだ際、某出版社から演劇論の依頼があった。「谷さんにとって、劇を観るってどういうことですか?」と尋ねられた。ああ、これは今まさに答えるべき質問だと思った。

ちょうどダンカン・マクミラン作『エブリ・ブリリアント・シング』という非常に不思議なお芝居をやっていた。セットも何もない芝居で、観客と一緒に世界を作っていく。観客が舞台上に登ったりするので、演劇的時間と日常的時間が常に隣り合うスリリングな上演だった。そして私は今まで様々に「演劇はどのように始まるのか」実験してきた。それらを合わせて一つの試論としたのである。しかし不幸にもご担当者がちょっと体を悪くされたそうで、掲載されないまま一年近く経ってしまった。

今日までスズナリで『丘の上、ねむのき産婦人科』を上演していた。明日から大阪in→dependent theatre 2ndに小屋入りする。そしてコロナが猛威を奮っている。こういう状況だと改めて「劇を観るとはどういうことか」、なぜ/どこが映像を観るのとは違うのか、考える。今日も観客が集まってくれた。おかげで演劇ができている。今、紹介することに価値のある原稿だと思ったので公開した。

一応課金記事としましたが、無料で最後までお読み頂けます。約1万1000字。

有料記事のテスト

codocというサービスをWordpressに導入し、有料記事を作成できるようになったのでテストで更新しています。以下、ヘンテコなものばかりなものの、テスト用にいくつかのコンテンツを埋め込んでみました。テスト価格100円です。『ねむのき』宗教的にすら見えるアップの光景、ボツ衣裳など、ビジュアルイメージができるまで、美術の資料など、ゆるキャラギャラリー、うちの次男がはじめてハイハイした瞬間

小劇場劇団がKindleダイレクトパブリッシングで戯曲を出版する方法(コスト・初期費用・在庫リスクゼロ)

現在公演中のDULL-COLORED POP公演『丘の上、ねむのき産婦人科』では、公演のオンライン配信があるだけでなく、戯曲(上演台本)および公演パンフレットがAmazon Kindle=電子書籍で出版されています。頑張ったらできました。タダで。

KDP(Kindle Direct Publishing)というサービスを使っているんですが、コストゼロ、初期費用ゼロ、在庫リスクゼロで出版&販売できます。必要なものはすべてフリーでダウンロード可能。データ作成の手間も想像の1/10くらい簡単でした。「台本を出版したいけど、お金が」「在庫リスクが」という小劇場劇団にはうってつけのサービスです。今回、公演開始前に販売をはじめたことで「新作なのに台本を読んでから観る」という選択肢を観客に提供できたこともよかったです。台本以外にも、うちの劇団がやったように公演パンフレットの電子書籍版を販売したり、エッセイ、小説、写真集、様々なコンテンツを発信できます。

そのやり方、恐ろしく簡単なので、ここで軽くシェアします。いろんな劇団が導入できる。何なら学生でもできます。

1.Wordで台本を用意する

別にWordじゃなくてもいいんだけど、一般的に一番使われているであろうWordで説明します。まずは普通にWordで台本を書く。この際、フォーマットや文字サイズ・余白なんかはそんなに気にしなくて大丈夫です。テキトーでOK。あとでKindle化されるときにアプリが調整してくれます。僕は普段書いているフォーマット、そのままで出版できました。

僕の普段のフォーマットはだいたいこんな感じ。Wordの画面のスクリーンショットです。こうして縦書きで書いておくと、出版時に「縦書き(右から左)」を選ぶとKindleでもちゃんと縦書きにしてくれます。やっぱり台本は縦書きですよねえ。

『丘の上、ねむのき産婦人科』Kindle出版しました

Amazon Kindleで販売中です。観劇前に読む新しいスタイル。

駅の北側、商店街を抜けた先、丘の上にある「ねむのきさん」は、昭和のはじめ、古くから続く産婦人科で、私も私の母も祖母もここで産み、生まれたらしい。今日のロビーは少し混み合っていて、私たちを含めて12人の男女が座っている。年齢も服装も表情もバラバラ。みんな一体何を考えているのか。しかし決して会話は起こらない。6組の悩み、いや12人の別の考えが、誰も喋らない静かなロビーにぽっかり浮かんでいる。

「妊娠」をテーマに数十名に取材を行い、7つの連作エピソード集にまとめあげた新作戯曲。とある架空の地方都市に存在する産婦人科の人々の姿を通じて浮かび上がる現代社会の様相、――少子化・晩婚化・ジェンダーロールやジェンダーギャップ・若者の貧困・不妊治療・中絶・ひとり親・モラルハラスメント・反出生主義、そして男女の意識の違い。「自分と異なる性/生を想像する」というテーマに基づき、男女入替えA/Bキャスト2バージョンで上演するDULL-COLORED POPの最新作です。