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僕はビジホで十分なんです、何ならこのようにサウナでも漫画喫茶でも

この週末は長崎くんちというお祭りと完全にぶつかっているらしく、宿が全然なかったので、あろうことか私は今サウナに泊まっている。だってお前ドーミーインが一泊2万円だぞ。俺はドーミーイン相当好きで都内でも何十回と泊まっているが、2万円は払えん。高級ホテルは一泊10万円する。サウナに泊まれば2700円だ。

うちの親父の口癖の一つに「子供に贅沢させちゃいかん」というのがあった。僕はそれをまともに食らい、かなり質素な幼少期を送った覚えがある。それでも親父の言う「父さんの小さい頃は、すいとんがあれば十分ありがたい。白米なんか滅多に食えなかった」「ラーメンはご馳走だった」なんてのを聞いてると、別に苦にも思わなかった。おかげで僕も今、たまにイベントの主催者側がなんちゃらプリンスホテルとか用意してくれちゃうと恐縮してしまう。いいえ僕は駅前の漫画喫茶にでも泊まるので、その宿泊費3万円、僕のギャラに充ててくださいとかよく思う。それで今回の福岡・長崎旅行では「僕がテキトーにビジホ取るんで、1泊5〜6千円くらいでやりますんで、それだけ払ってくれたら!」なんていい加減な発注で来ておる。そんで今日は宿がなかったのでサウナに泊まった。漫画喫茶でもよかった。いずれにせよ安く上げられる。

久々にサウナに泊まった……ように見えて、実はちょいちょい泊まっているので、この感じ、僕は割と楽しい。ドーミーインに2万円払うよりは「隣の親父うるせえなあ」と思いながら一泊2700円のこちらの方がよほど良い。親父の教育をありがたく思う。

人間、高級なものに慣れてしまうと生活レベルは落とせない。だが僕は親父の教えてくれた控えめな倹約や、20代に演劇で成り上がろうとして体験したとんでもない貧乏のお陰で、今は何をやっても楽しい。どこでも生きていける。

今の目下の楽しみは、また新しいキャンプ地へ行って、地元のスーパーで買った特売品の一尾300円とかの魚を焼きながら野宿することだ。早くキャンプに行きたい。一泊3万円の宿でコース料理を食うより、キャンプ場のフリーサイトでテント張って、地元の安くて美味しい魚や肉を焼いて食う。これが俺に一番合っている。一番楽しい。生きてるって感じがする。

演劇でちゃんと成功すると、ちゃんと食える。僕はもうかれこれ20年、演劇だけで食っている。そのために演劇に全ての生命をかけてきた。この先もそうだろう。若手の演出家や作家には、ちゃんと言っておきたい。演劇でちゃんと成功すると、ちゃんと食える。だから、演劇を諦めないで欲しい。

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