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インドネシアの演劇祭・IDRFに、福島三部作で参加します

戯曲『福島三部作』は、今でも海外で高い評価を受けています。これまでも何度か翻訳・上演されてきました。

そしてこの11月、インドネシアの演劇祭・IDRF(Indonesia Drama Reading Festival)にて上演されることになりました! インドネシア語の翻訳、インドネシアの俳優たちによる、第一部の抜粋リーディング上演です。

僕も現地参加します!

 

福島三部作・第1部『1961年:夜に昇る太陽』

作:谷賢一
朗読・出演:テアトル・ガジャ・マダ

2026年11月4日 19:00(現地時間)
at Auditorium IFI-LIP Yogyakarta
(ジョグジャカルタ、IFI-LIP講堂にて)

※リーディングはインドネシア語、英語字幕が付きます。

 

インドネシアというと私たち日本人には南国の楽園、バリ島などリゾート観光地のイメージが強いですが、人口2億8000万人、世界第4位の超大国。面積は日本の5倍、経済規模は東南アジア最大、そして長く豊かな文化を持つ国です。国内には1300もの民族が暮らしているそう。

そして演劇との関わりでいうと、なんといっても20世紀最大の演出家の一人、アントナン・アルトーの名前が上がります。

「残酷演劇」を標榜し、唐十郎や寺山修司らに絶大な影響を与えたものの、生前はたった一作しか作品を残さずに精神病院で死亡した、まさに「天才」。彼がもっとも影響を受けたのが、バリ島の舞踊劇やガムラン音楽でした。ここから彼は、音や光、身体を通じて観客を揺さぶり、人間の存在や生の切実さに直面させる演劇を理想に夢見たのです。

僕にとってはハタチの頃、イギリスの大学で演出論の授業のとき、よりにもよって一番むずかしいアルトーのプレゼン役を引いてしまい、ゲロ吐きそうになりながらイギリス人の大学生100人の前でアルトーの超難解な演劇理論を1時間しゃべる……という地獄を味わったことがあります。日本語もろくにできない留学生が、鈴木忠志の『内角の和』を解説しているようなものです。あれを経験してしまうと、人生のすべての瞬間はイージーモードになります。

そんなこんなで超あこがれの国でしたから、演劇祭の前後も予定をあけて、半月ほど滞在する予定です。ビーチや寺院めぐりなど観光もするつもりですが、やはりアルトー。フェスティバルのスタッフの方が、バリでアルトーを研究している人たちと引き合わせてくださるそうなので、影響を受けまくって帰ってきます。

その影響は、かならず来年2月の公演『僕ら4人』にいい影響を与えるでしょう。

*

三部作のうち、第一部が選ばれました。理由を聞いて、とても納得しました。僕の言葉で説明すると……。

第一部は、引き裂かれています。自然と発展との間で。それがインドネシアの人たちにも、よくわかるらしいのです。

1961年、あの町の人たちは、美しく豊かな故郷を守りたいという思いを持ちつつも、そのために原発誘致に賛成するという残酷な選択へと向かっていきました。それは「あくまで現地のみなさんの自由意志だよ」とささやかれてはいましたが、ほとんど買収のようなもので、国や大企業の計画や欲望が大きく、深く関係していました。

この感じは、1970年代に大きな発展を遂げたインドネシアの人たちにとっても、とてもよくわかるものなのだそうです。

インドネシアは本当に美しい国土を持っています。僕は今回の旅行に先駆けて、現地の人々に敬意を示し、その文化や風習を理解するために、インドネシア語の歌を一つ覚えました。

「インドネシアのビートルズ」とさえ呼ばれているような、有名なバンドの曲だそうです。こんな歌です。

これは海じゃない ミルクの池
投網ひとつで 暮らしていける
大雨も 大風も来ない
魚もエビも いくらでも寄ってくる

僕らの大地は 楽園の大地
木の棒だって石だって 作物に変えてしまう

あまりにも海や自然が豊かなので、漁をすればいくらでも魚がとれる、木や石ですら食べ物に変えてしまう……。それくらい豊かな自然を、インドネシアは持っている。しかし今や、アジア随一の経済対策。福島三部作・第一部と、深い関係がありそうですね。

また、インドネシアも激動の政治を体験した国でした。ディレクターの方は「政治・経済・文化の状況がよくわかる、冒頭の列車のシーンがとても興味深い!」と言ってくれていました。内容について語り合うのが今から楽しみです。

またこうして、活動再開公演の直前に一つ、海外で自分の作品を発表する機会をもらえたことも、大きな応援だと受けとめています。現地の方とは、かれこれ半年近くいろんなことをメールベースで話し合ってきました。僕の作品を紹介してもらうだけでなく、インドネシアのすばらしい文化や作品を日本でも紹介する機会が作れたらと考えています。応援してください。

現地でおそらく、何本も演劇を見るでしょう。僕からすると、2022年末以来、本当に一本も演劇を観ていないので、これが4年ぶりの観劇体験になります(息子が演じた保育園の『西遊記』を除く)。

どういう感情を味わうのか? いろんな意味で、これがようやくの「再開」になりそうです。

*

だいぶ貴重な体験ができそうなので、現地の様子をYouTubeやXからリポートする予定です。よかったらこちら、フォローしておいてください。現地からのライブ配信なんかもしてみたいと思っています。チャンネル登録しておかないとコメントできない設定になっていたはずですので、ぜひ今のうちに。

また、インドネシア詳しい方いたら、ぜひ現地でのオススメなんかも教えてください!

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