私は福島で東京より良い演劇を作る。「本当は東京の方がいいんだけど」なんてことじゃない。「むしろ福島の方が集中して、いい環境で物作りができる」、そういう環境を作ることで復興に手を貸したい。善意やボランティアに頼っては長続きしないので、きちんとマネタイズし、職員に給料を払うことも実現する。そのためには現地の人たちに本当に喜ばれる事業をしなければならない。福島に来る演劇人、福島に住んでいる人々、そしてこの社会、全てが喜ぶ「三方よし」。
というわけで地元の人々とまずは飲み会をしてきた。最初は新聞記者さんたちと飲もうという話からスタートしたのだが、結果的に本当にいろんな人が来てくれたな。福島民報さん、福島民友さん、いわき民報さん、NHK福島支局の人たち、ローカルライターさん。内閣府メンバー、双葉町役場の人々、UR都市機構の方々、ぷくぷく醸造という酒蔵の仲間たち。そして演劇の俳優、スタッフ、などなど……。全員が立場は違えどどうやったら福島を復興・再生できるか人生を賭けて仕事をしている人たちだ。こういう人たちと話すのは楽しい。最近は演劇人同士でもあまり熱弁というか熱心に理想や演劇論を語る人がいなくなった。表現が全体的に自己満足的になっていて寂しい。この双葉町という町には今は本当に何もないけれど、だからこそどうとでも変えていける、どうなるかわからない、町ごとベンチャーのような感覚があって刺激的だ。ぷくぷく醸造の立川さんはこの浜通りで世界と戦えるレベルの酒を作ると言っていた。日本酒は今世界中で戦える商品になったがプレイヤーとして参加しているのは日本人だけ。福島の酒は日本金賞を取り続けているから、この県で一番を取るということは世界の頂点をとるということに等しい。非常に共感する。僕も福島で世界レベルの作品を作りたい。そういう土壌や環境、構造を整備する。
最後にこちら、一人ご紹介。この度設立した一般社団法人(登記完了! のちほどリリースなど出しますね)の、僕の上司で伊藤さんという。お見知り置き下さい。