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明日から入居なので家族で福島へ来ているが、実は単身赴任であること

ニコニコとマシュマロを焼く妻と無力にもおぶわれる次男氏(1歳)

10/1からマジで福島へ移住します。住民票も移します。数十年ぶりに福島県民になる私です。よく聞かれる質問で「ご家族はどうされるんですか?」というものがあるが、お返事は簡単で「家族は東京に残ります」ということになる。なぜか。

保育園がないんです。

私の移住する福島県双葉町は、もうかれこれ11年半、原発事故の影響で帰還困難区域、帰ってはならぬ、居住してはならぬという土地でした。11年半、誰も住んでいなかった凄まじい町です。晴れて今年の8月30日に避難指示が解除され、ようやく住めるようになったけれど、戻ってきた住民は(僕もさっき聞いて驚愕したんですが)わずか30人ほど。元は8,000人いた町が、今は30人。しかもそのうち20人は町役場関係者すなわち行政職員だというから、要はほとんど誰も帰ってきてないわけです。

11年半無人で、今は人口30人。そういう町ですから当然、コンビニ一つありません。病院もない。スーパーもない。図書館すらないわけで、これは違憲状態ですらあるはずです。「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」はずですが、何もない。すると当然、保育園なんかないんです。だから家族を連れて来れない。

今僕が住んでる東京都練馬区ですら保育園の獲得時には大戦争で、今の保育園を何とか・ようやく・ギリギリでゲットできた。だから簡単に保育園辞めますなんて言えない。しかも上の子と下の子で別の保育園を指定されたのでめちゃくちゃ不便している。それでも保育園がないと、僕か妻かどちらかが、仕事をやめて家事育児だけに専念するしかなくなる。保育園がない町では、子育ても無理だし、男女共同参画も無理なんです。

そして双葉町には保育園も幼稚園も一つもない。小学校も中学校も高校ももちろんない。となると残念ながら今時点では、ファミリー世帯の移住は無理という結論になります。だから僕の住民票だけ移すことにしました。妻子全員のを移すと通える保育園が根絶してしまいます(これは非常に切実な問題です、保育園落ちた日本死ね)。

私のようなヘンテコ演劇アーティストが移住して暮らすことは十分できる。むしろ創作に集中できていいかもしれない。しかし保育園がない、求人もアルバイト募集も何もないこの町へは、とてもじゃないけど家族ごと引っ越しては来れない。僕が単身赴任をするという事実自体が、いかに福島の浜通り・双葉町に課題が山積しているかという一つの指標にもなっているわけです。これを解決しないと、子育て世代、ファミリー世代は入って来ない。

ここをなんとか、人が暮らせて、子供を育てられる街にしたい。さぁ大変だぞ!

とは言え僕だけ単身赴任するにしても、家族は家族なわけですから、是非とも近隣の住民にうちの家族を紹介したいと思ってみんな連れてきました。妻子も応じてくれて今日は港で魚をたくさん買い、バーベキューなんかしたりしました。しかしこの町の人口は30人にも満たない……となれば、そもそも紹介する人がいるだろうか。

長男は自然に触れて大変楽しんでおりました。あと恐竜の公園でエキサイトしていました。それだけでも僕としては嬉しい。せっかくの土日有給を潰して福島に帯同してくれている妻もありがたい。しかし5年か10年か、時間が経てば、家族でも住める町になるのだろうか? 双葉町は。そういう大きなプロジェクト、問題に、私たちは直面している。

なんて、それもこれも全て「東京に電気を送るため」に生まれた問題なんですがね!

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