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『ねむのき』ダメ出し・演出ノート公開<前編>

今回ダメ出しをすべてパソコンでメモに取り、LINEグループで全体に流して一度読んでもらってから、追って口頭で説明するというやり方をしていた。短編連作なのでどうしても個別/細かいのダメ出しが増えるからそうしていたんだが、結果的に「すべてのダメメモが残っている」という面白いことになった。さすがに全部紹介するわけにはいかないが(おそらく数十万字あるだろう)、いくつか抜粋して紹介してみる。

稽古場で演出家と俳優は、こういうことを喋っているんだな……という一例としても面白いだろうし、演出家や俳優を目指す人にとっては何かの参考になるかもしれない。また『ねむのき』を観てくれた人にとっては裏話というか、作り手側の思いやこだわりが透けて見えるところがあるだろう。配信映像と見比べたり戯曲と読み比べたりしても面白いかもしれない。

普通だと仮にダメメモが残っていてもなかなか公開できない。ダメ出しは特定の誰かに言ったものが多いから、もちろん全く個人攻撃ではないんだけれど誰に言ったか特定されてしまう。本番中の俳優は非常にデリケートな生き物なのでそれだけで調子が狂ってしまったりする。だが今回はA/Bキャストがあるのでどのダメ出しも「役について」言ったものとして読める。俳優たちも公開に賛成してくれたので、滅多に読めるものでもないから公開してみます。

ちょっと長すぎるので前後編に分けました。細かいミザンス(立ち位置・動き)とかタイミングに関するメモは除外してあります。本当はそういうのこそ大事だったりするんだけど、さすがに「どこそこの立ち位置、上手へ一尺。台詞を言うタイミングはあと2秒待って」とか、読んでいてもつまらないと思うので。

……ずいぶん削ったつもりなんですが、それでも1万8000字ありました。有料記事ですが無料で最後まで読めます。

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