キーボードは2年に一度はコーヒー引っ繰り返してダメにするので安物しか使わないと決めていたんだが、これからなかなか歯ごたえのある執筆が3本も待ち受けている上に、何か自分にご褒美を、買ってワクワクできるものが切実に欲しくなってしまったので、椀飯振舞、思い切って買ってしまった。
FILCOと言えばキーボードマニアの間では知らない者のない定番ブランド。Majestouchと言えば同社の代表ブランドであり、メカニカルキーボードの入門ブランドと言ってもいいかもしれない。赤軸というのはキーボードの入力具合を左右する「軸」の種類の一つであり、赤・茶・青・黒とある軸の中で最も打鍵感の軽いものである。「カチャカチャ」という軽快な打鍵音の青軸に比べて比較的静かだが、メンブレンやパンタグラフなど他の一般的なキーボードに比べれば打鍵音は十分大きい。
購入して早速この記事を書いているが、とにかくタッチが軽いのでまだ誤入力が多い。ちょっとした指の動きにも反応して打鍵を拾ってくれる感じがする。慣れたらどんな高速入力が可能になるのか見当もつかない。それにこれくらい軽い方が、普段使っているノートPCのパンタグラフキーボードの打鍵感と開きがなくて良い。
軸がしっかりしているので、押下したとき下まで真っ直ぐ差し込まれる感じの打鍵感が何とも気持ちがいい。楽器を演奏しているような小気味よさがある。そう、「叩いていて気持ちいい」というキーボードを手に入れないと、これからの長い長い執筆は楽しめないような気がしたんだ。ちょっと自分に甘いかな。
打鍵感は軽いが本体はがっしりしており重量も剛性もある。パッケージから梱包に至るまで高級感のある作りであり、「いいもの買ったなぁ」という実感がひしひしと湧き上がってくる。1万5000円くらいでこれからずっとこんな高級感を味わえるのなら安い買い物だ! コーヒーさえこぼさなければな。
「Majestouch」というブランド名も振るっている。Majestyとは「尊厳・威厳」という意味だが、同時に「His Majesty」「Her Majesty」という形で「国王陛下」「女王陛下」という意味を示す。王様だ、王様。王様タッチ。1万5000円で王様は振るいすぎなんだけどよ、まぁいいじゃねぇか。今まで1枚3000円のキーボード使っていた身からすると、こいつはほとんど王様気分だもの。