脳みそと頭蓋骨の間とに薄く一枚膜が張っていて、ひりひりと痛んでいる。炎症しているような、痺れているような。これが最近の僕の「疲れている」様子だ。
もう36年生きていたのでそろそろ生きることのプロになってきた。並大抵のことじゃあ驚かない。何事も足を止めて眺めてみれば、あくびが出るほど退屈だ。
だから立ち止まらないように、吠え続けられるように生きているのだが、来年こそは少し休もう。ちょうどいいんだ。福島三部作をきちんとクロージング、書き上げたら、一つの段落が終わる。まさに一段落というやつだ。
新しく引越した先は気に入っているけれど、家の他に気に入った飲み屋が結局見つからないので難儀している。だから家でばかり飲んでいるのだが……。家とはそういう場所だろうか? どうも、どうやら人生は迷宮じみて奥へ奥へ追いやられる。しかもとても地味な苦しみの方角へ。