あんまり映画は観ない方です。
T2 TRAINSPOTTING
ずっと観たかった、一世を風靡したあの『トレインスポッティング』の続編。あれからリアルに20年が経っており、俳優たちも20年の歳を取っており、劇中世界での時間もまた20年経っている。この趣向がまず面白い。
内容的にも正統な続編。クズたちのその後、希望なんかない。物語はドラッグと音楽に操られてどんどん破滅的な方角に転げ落ちていく。いや、走って行くというべきかしら、こと『トレインスポッティング』に関して言えば。イギリスの経済的現状(格差と貧困)も盛り込まれていて、社会派映画としての側面もあり、そんな中で悪い方向に向かってしか走ることのできないバカどもの悲哀が極めてポップかつキッチュに描かれている。名作であった。
ブルー・ジャスミン
芝居がうまくなりたいやつは皆、ケイト・ブランシェットの出てる映画を片っ端から観るといい。そんな言葉さえ頭に浮かんだ。世界一の実力派・演技派女優、ケイト・ブランシェット主演。観ていて何度も「うっ……、うめぇ……!!」と声に出してしまった。それくらい上手い。
没落した元セレブの虚栄心を描く。現代版『欲望という名の電車』。コミカルな描写も多いけどそれがかえって悲哀や寂寥感を引き立てる。人は生活レベルを落とせないし、承認欲求の獣だ。元セレブ妻の……と書いたけれども、誰が観ても共感するところはあると思う。素晴らしかった。
この世界の片隅に
映画館で観てからもう1年半近くなるのか。改めて観返しても全く退屈しない、胸が締め付けられる、素晴らしい作品であった。この映画は50年は語り継がれるだろうし、太平洋戦争の貴重な資料としてこの先見続けられるだろう。