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2年かけて書く『演劇・福島3部作プロジェクト』、つづきます

昨年夏より取り掛かっている「福島3部作」プロジェクト、第2回取材旅行に出発してきます。

このプロジェクトの、きっかけとあらまし

僕は福島生まれです。もともと母が福島生まれで、父は原発にも出入りする機械技術者でした。2011年までの福島は、日本で2番目にでっかいけれどとりたてて何もない、果物と野菜がうまいだけの土地でしたから、特に意識などすることはなかったのですが、2011年から”Fukushima”となって、人類史に名前の刻まれる土地になり変わってしまいました。

あれ以来福島は、非常に複雑な土地になってしまった。なぜ福島はFukushimaになってしまったのか? そこには政治や経済が密接に絡まっているだけでなく、その土地土地の人間模様や家族関係が実に深く関係している。ある一つの大きな力がこの結果を招いたというわけではなく、何世代にも渡る多数の人々の欲望や打算、そして愛が絡まり、今の福島がある。政治や経済についてだけ書くのなら本でもよかろうし、安全性や廃炉問題についてなら論文が適切でしょうが、家族・故郷・愛、そういった人間的なものが深く深く絡まっているのが実態です。その複雑な歴史と現象を描くには、演劇が最も適切なツールではないでしょうか。

と言いつつ、そう手短に簡単に書けるものでもないので、こんな方針をまとめました。

  • 2年かけて書く。
    • 取材・調査にきっちり・じっくり時間を使う。
    • 本も読むが、現地に行く。人から直接話を聞き、直接目で見る。
  • 3部作で書く。
    • 3世代、3つの家族の話として書く。
    • 3作それぞれが独立して完結しているが、連動している。

福島の複雑な歴史と現象と人間を描くには、これくらいの準備が必要だと考えました。そんで、2016年の夏からコツコツやってます。

今までのこと

2016年12月には10日間かけて現地取材を行いました。第一回取材はあまり焦点を絞り込み過ぎず、あちこちでいろんな話を聞きました。ご紹介頂いた専門家の他に、偶然の出会いにより意外な情報に触れることも期待して、道端のリンゴ売りのおばちゃんや居酒屋のご店主・蕎麦屋のおかみさんなどと積極的にお話してきました。

【第一回取材報告(2016年12月)】
12/4~10 白河市・石川町・須賀川市・郡山市・田村氏・福島市・飯舘村などを取材。
行政職員・親戚・農家・飲食店経営者・畜産家・医師などに話を伺う。
特に飯舘村には2日間滞在し、復興への希望と課題を体感する。
12/12・13 いわきアリオス演劇担当者からお声掛け頂き、いわき市へ追加取材。
いわき市内の双葉町役場、および映画『知事抹殺の真実』試写会を取材。

Twitterまとめ:http://togetter.com/li/1055854

これからのこと

今度は半月かけて、より焦点を絞りプロットに寄与する取材を行います。5/20~21にかけて、飯舘村で農地再生プロジェクトに参加した後、5月中は主に浜通りを中心に、その後中通り・福島市を拠点に取材を続けます。

この取材期間で3部作全体の構成を固めた後、第1部の執筆に着手するのが目標です。夏には試演会も検討しています。

情報は随時、このブログで報告していきます。どうぞよろしくお願い致します。

後援:セゾン文化財団
※このプロジェクトの取材資金は一部、セゾン文化財団・ジュニアフェロー助成金から充当させて頂いております。

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