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ぐずぐずと、ぐずぐずで、思うことなど

青井陽治先生のご葬儀に参列してきた。本当に早すぎる死だ。もっともっとお話したかった。こういう台詞を僕たちはあと何百回繰り返すのだろう? 死はいつもそこに見えているのに、どうしても生きることにかまけて忘れてしまう。

ご葬儀の会場となった築地本願寺・和田堀廟所は我がクソ母校・明治大学のすぐ側なので、在学中に何十回何百回と通った洋食屋の名店「はんばあぐはうす ぐずぐず」を数年ぶりに訪れた。喪服など着て向かったので、もしかしてこの店ももうなくなっているのかも……などと暗い想像が頭の中にもやもや広がったが、全く同じ、変わらぬ表情でぐずぐずは営業中で、名物のとっても辛いポークカレーを食べてきた。

昔よりおいしくなったようにさえ感じる。

学生時代の僕は小説や戯曲を片手にここへ通って、あるいは店内に置かれている(二千冊あるらしい)漫画本を読んで、たくさんの時間を潰した。ぜったい演劇でプロになってやると、歯ぎしりしながら、いつも次の舞台の構想をノートに書き殴っていた。

青井先生の式は、本当に本当につらくって、だけど同時に元気をもらった気がしたんだ。「青井は、演劇だけに生きました」、お見送りの際のご挨拶でそう述べられたとき、その場にいた全員が「そうだ、そうだ、その通りだ」と誇らしく強く同意したに違いない。青井先生が「演劇人の国歌だ」と言っていたというミュージカル・コーラスラインの曲「What I did for love」が流れて出棺がはじまったとき、僕は本当に、青井先生が輝かしい礼服を着てにこやかに笑い、「泣かないで下さいね」と手を振りながら、立ち去っていく姿を見たような気がしたのだ。

その姿を見て、くよくよしている自分を恥じた。青井先生がこの世でやり残したことを、僕たちがやらなくてどうするんだ。青井先生から奪われてしまった人生は、まだ僕の手の上には残されている。それを大事に、熱く、使わなくってどうするんだ。

『What I did for love』勝手訳

今日の日にキスをして
良いことも悪いこともさよなら
私にもあなたにも幸運がありますよう
後悔なんてできない
すべては愛のためにしたこと 愛のためにしたこと

ほら涙はもう乾いたわ
神様からお借りしたこの贈り物は私たちのもの
ずっと前から知ってたはず
だから後悔しない、愛のためにしたこと
愛のためにしたすべてのこと

愛は決して消えない
私たちが旅を続ける限り 愛は思い出の中に蘇る

今日の日にキスを そしてさよならを
私は明日へ向かわなくちゃ
やるべきことをやっただけ
忘れないし後悔もしない
愛のためにしたすべてのこと

どうしても訳し方の中に、今日の気持ちが入ってしまうが、今日はそれでいいじゃないか。

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