以前よりアナウンスしていた「戯曲の書き方講座」、以下の通り開催いたします。古今東西の戯曲論の決定版にしたいと思っております。たくさんのご参加、お待ちしております!
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三十代の頃、常に“ひらめき待ち”で書けずにいた自分は、とある演出家(デヴィッド・ルヴォー)のアドバイスを受けて、急に書けないことがなくなりました。その後、演劇の戯曲論と映画のシナリオ術を組み合わせ、“書く技術”として体系化しました。おかげで今でもヘタクソなままですが、多少はマシなものが書けるようになりました。戯曲の賞がとれたのも、そのおかげです。
創作は“ひらめき”や“才能”、“センス”だと思われていますが、本当に必要なのは技術です。そして逆説的ですが、技術を学ぶと個性や才能も見えてくるようになります。その技術を教える講座です。どなたでもご参加いただけます。
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募集要項

対象 経験不問、どんな方でも
料金 無料
定員 5〜10名程度
日程 5/2(金)・9(金)・16(金)・23(金)の全4回、それぞれ20時〜22時
形態 Zoom + YouTube Live配信
内容 基礎から始め、短編作品を書き上げるまで
※すべてオンライン&完全匿名(ペンネーム)で参加可能
※リアルタイム参加が難しい回はアーカイブ視聴可能
※受講者は宿題に添削・コメントし、ご質問にもお答えします
スケジュール

第1回:「優れた会話と物語に必要なたった1つの要素」
日時:5/2(金) 20:00〜22:00
内容:会話と対話、対立、他者と出会う、葛藤を乗り越える、目的と行動、対話を書いてみる、演劇に論破が向かない理由、ルヴォーから学んだこと、「物語とは旅である」、三幕構成、起承転結・序破急で書いてはいけない理由、ピクサーとネトフリ、作家ではなく大工になる
宿題:お気に入りの戯曲・映画の構造分析、ログラインを書いてみる(予想所要時間:1時間)
第2回:「物語の種類は2つしかない――物語構造論」
日時:5/9(金) 20:00〜22:00
内容:イプセンは何をやったのか、キャラクターの作り方、情報の高低差、性格と行動、役割、出ハケこそ奥義、箱書きの書き方、小目的・大目的・貫通行動、伏線の貼り方、チェーホフの銃、マクガフィン、象徴
宿題:箱書きの完成(予想所要時間:2〜6時間)
第3回「あなたが書き上げられない本当の理由」
日時:5/16(金) 20:00〜22:00
内容:ローマ伝来の文章奥義、読書と取材、インプット量、アイディアが出てこないときにすべきこと、締め切り、個性は出るまで出すな、第一章はジェットコースター、「私は妻を殴るくせがある」、最初の5分、「俺なんてこんなもんだ」理論、ほか
宿題:短い作品を書いてみる(予想所要時間:1〜4時間)
第4回:発表会(一般公開)
日時:5/23(金) 20:00〜22:00
内容:完成した短編をオンラインで観客の前で発表。強制ではありませんがぜひご参加ください(理由は後述)。
内容について、補足

どなたでもご参加いただけます。
ビギナーからプロ志望、すでにプロとして活躍されている方まで歓迎です。以前はプロの漫画家さんにご参加いただいたこともありました。戯曲・シナリオに限らず物語全般に有効です。また作家を目指さない、俳優やスタッフの参加も歓迎します。劇の書き方を学び、その構造を知ることは、演技プランや演出プランを考えるうえで必ず参考になるはずです。
一般の観客の方も歓迎です。一度書いてみると演劇がもっと楽しくなります。やったことのあるスポーツは観るのが楽しくなったり、少し楽器を練習すると急に音楽が豊かに聴こえてきたりしますよね? それと同じです。「厳しいアドバイスが欲しい」、「いいところだけ教えて」などご要望もお聞きしますので、安心してご参加ください。
完全無料
今回はトライアルとして、完全無料で開催します。カリキュラム自体はすでに完成していますが、受講者の反応や質問をもとに、より精度を高めた“完全版”に仕上げたいと考えています。
また、将来的にもこの講座をできるだけ無料で続けられる方法(寄付・広告モデルなど)を模索しています。私もかつてそうでしたが、若い劇作家はお金がありません。応援してくださる方は、ページ下部の「サポートする」ボタンよりご支援いただければ嬉しいです。
最後に発表会を設定してある理由
劇作家が最も成長するのは、作品が上演されている最中です。手を握りしめ、心臓が縮こまり、ああすればよかった、こうすればよかった、これは失敗した、なんて自分は下手なんだ!……と絶望しつつ、くすりと小さな笑い声が起きただけで有頂天にもなる。一番、発見のある時間です。この極限の学びをぜひ体験していただきたく、発表会を設定しました。
作品の読み上げは他の方が行います。作者のあなたはじっと聞いているだけで大丈夫です。ペンネームでの参加もできるので、思い切ってトライしてみてください。
ご応募方法
受講希望の方:
→こちらの応募フォームからご応募ください。応募者多数のため、選考の上でご連絡いたします。
※Googleアカウントが必要。登録無料。
見学希望の方:
→応募不要。YouTubeチャンネルに登録してお待ちください。

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講師:谷賢一
作家・演出家・翻訳家。劇団DULL-COLORED POP主宰。明治大学文学部演劇学専攻、およびイギリス・University of Kentにて演劇学(主に戯曲論・演出理論)を学ぶ。2020年に岸田國士戯曲賞・鶴屋南北戯曲賞を同時受賞した他、小田島雄志翻訳戯曲賞、文化庁芸術祭優秀賞などの受賞歴がある。デヴィッド・ルヴォー、シルヴィウ・プルカレーテ、シディ・ラルビ・シェルカウイほか海外アーティストとのコラボ多数。近年は別名義で小説・映像分野にも多くの作品を発表している。
主催:合同会社DULL-COLORED POP 協力:あおき、Phantom、プレニコ