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月: 2017年6月

第2回福島取材を終えて

福島県庁脇より、阿武隈川の眺め

17日間東北をぶらついた。いよいよ東京に帰ってきて、人混みにげんなりしつつ、田舎モンが東京出てきて最初に思う「はえー、やっぱ東京ってすげぇなぁ」と思うあの感じを追体験できた。過剰なまでに何でもあるが、やはり過剰にゴミゴミしていて息苦しい。どうして俺たちはこんな街に住みたいって思ってんだろう。

東京と福島は、思ったより近くて離れている。新幹線で1時間半と、とても近い。ただし途轍もなく離れている。

智恵子は東京に空が無いといふ。
ほんとの空が見たいといふ。

私は驚いて空を見る。
桜若葉の間に在るのは、
切っても切れない
むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ。
智恵子は遠くを見ながら言ふ。

阿多多羅山の山の上に
毎日出ている青い空が
智恵子のほんとうの空だといふ。

あどけない空の話である。

──高村光太郎『智恵子抄』収録「あどけない話」より

福島を知らない人のために書いておくと、「阿多多羅山(安達太良山)」とは福島にある一番有名な山のことです。安達太良山に限らず、福島には「ほんとの空」があちこちにある。もちろん原発のあった町にも、津波でさらわれた沿岸部にも。

映画『嘆きの王冠』トークショー出演します

『劇場版 嘆きの王冠 ~ホロウ・クラウン~』

監督:ルパート・グールド、リチャード・エアー、テア・シャーロック、ドミニク・クック
出演:ベン・ウィショー、ベネディクト・カンバーバッチ、トム・ヒドルストン、ジェレミー・アイアンズ、サイモン・ラッセル・ビール、ジュディ・デンチ、ロリー・キニアほか

《劇場公開記念》トークショー日程と登壇予定者

@ヒューマントラストシネマ渋谷

6月17日(土)
ゲストトーカー: 翻訳家 松岡和子さんx東京大学教授 河合祥一郎さん
メインテーマ:「ヘンリー四世」を中心に歴史劇の全体像を語る

6月24日(土)
ゲストトーカー:演出家 谷賢一さんxライター 大堀久美子さん
メインテーマ:『リチャード三世』台詞の魅力とその裏側

7月1日(土)
ゲストトーカー:青山学院大学教授 狩野良規さんx字幕翻訳家 柏木しょうこさん
メインテーマ:【劇場版】『嘆きの王冠 ~ホロウ・クラウン~』に見る、英国俳優の実力と魅力」

7月9日(日)
ゲストトーカー: 翻訳家 松岡和子さんx東京大学教授 河合祥一郎さん
メインテーマ:【劇場版】『嘆きの王冠 ~ホロウ・クラウン~』と歴史劇の魅力を語る

7月17日(月)
ゲストトーカー: 演出家 鵜山仁さんx東京大学教授 河合祥一郎さん
メインテーマ: 「ヘンリー六世」を中心にシェイクスピア歴史劇上演のおもしろさを探る

福島取材で見えてきた、歴史の連なりに関するメモ

俺が育ったのは福島県の中でもとりわけ地味な石川町という小さな町で、人口は2万人にも満たない。何にもねぇ、実に王道的に何にもねぇ田舎町なんだけど、福島の歴史を網羅的に調べていくうちに、信じられないような歴史がたくさん眠っていることがわかってきて、ちょっと興奮している。