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月: 2019年5月

ヤン・フジェベイク監督『幸福の罪』

眠れないからアマゾンプライムビデオで退屈そうなヨーロッパの映画でも観よう。ああ、チェコの映画がある。チェコの映画なんてみんな長くて観念的で退屈に違いねえや、きっと眠くなるぞ、こりゃあいい……と思って見始めたら、最後までバッチリ観てしまった。

リーディングシアター『レイモンド・カーヴァーの世界』演出

作:レイモンド・カーヴァー 演出:谷賢一 翻訳:村上春樹

カーヴァーの小説は詩のように美しく、奥行きがある。言葉は極めてシンプルで平易だが、読み進めるうちに行間から溢れるさみしさの深さや広さに読者はすっかり飲み込まれてしまう。こんなに簡単な言葉でこんなに複雑な心情を描けるものかと感動する。どうしようもない男と女の、どうしようもないすれ違いや破綻を描いたこれらの作品群は、人生に疲れたことのある聴き手の心にそっと寄り添うだろう。