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カテゴリー: 公演情報

超個人的・福島三部作プレイガイド

今夏、東京で8/8(木)~28(水)、大阪で8/31(土)~9/2(月)、そして福島で9/7(土)・8(日)と、私の37年間の演劇人生の集大成である通称「福島三部作」が上演されます。取材に2年、執筆に丸1年以上かけた野心作です。三部作ですがそれぞれ独立しており、どれか一つだけ観てもらっても十分面白いので、「どれを観たらいいかわからない」という人のために超個人的に各作品のガイドを書いておこうと思います。

公演情報、あらすじ、タイムテーブルなどは以下のサイトからどうぞ。
http://www.dcpop.org/vol20/

それでは各作品の解説を。一部ネタバレあり。

リーディングシアター『レイモンド・カーヴァーの世界』演出

作:レイモンド・カーヴァー 演出:谷賢一 翻訳:村上春樹

カーヴァーの小説は詩のように美しく、奥行きがある。言葉は極めてシンプルで平易だが、読み進めるうちに行間から溢れるさみしさの深さや広さに読者はすっかり飲み込まれてしまう。こんなに簡単な言葉でこんなに複雑な心情を描けるものかと感動する。どうしようもない男と女の、どうしようもないすれ違いや破綻を描いたこれらの作品群は、人生に疲れたことのある聴き手の心にそっと寄り添うだろう。

乃木坂46『3人のプリンシパル -ロミオとジュリエット-』

DULL-COLORED POP第19回本公演/新人加入記念公演「あつまれ!『くろねこちゃんとベージュねこちゃん』まつり」

父が死に、母は2匹の猫を飼い始めた。母・よし子、61歳。プロのお母さんとして生きてきた彼女の人生にきらめく、ステキにまばゆい思い出たち。しかしその裏側には悲しい過去が隠されていて、そいつを猫たちがじゃんじゃん暴いてく──。だって僕たち、猫だもの!

* * *

人が猫を演じ、猫が母を演じ、家族同士が良い家族を演じる。「演じる」ことをテーマとした劇団の代表作『くろねこちゃんとベージュねこちゃん』待望の再々演。2012年に初演され、2015年の再演では早々にチケットが完売した同作を、計4演出・4バージョンに拡大上演することで作品と劇団の魅力を4倍に引き出します。

詳細:
http://www.dcpop.org/vol19/

詳細は上記劇団ウェブサイトを見て頂くとして。ワタシ的には『従軍中のウィトゲンシュタイン(略)』なんかと並んで、まず間違いなく代表作となる一作であります。劇団として上演するのもこれで3度目ですから「名実ともに」と言っていいでしょう。

谷賢一主催『忘年会(三日三晩)』

最近よくこう思います、「人とのご縁こそ宝」「人脈こそ仕事の命脈」。そのくせ日頃のご挨拶もままならず、不義理・無沙汰を重ねており、「忘年会くらいちゃんとやろう」と考えたので、いっそのこと三日三晩やることにしました。

楽しい会話と演劇で「三日三晩」繰り広げられる、前代未聞の大忘年会です。千客万来、楽しくお話しましょう。

【料金】入場無料・フリーカンパ制
【期間】2018/12/28(金)~30(日) AM10:00~PM10:00
【会場】十色庵(JR赤羽駅から徒歩12分の演劇スタジオ)
【参加資格】どなたでも

以下、「続きを読む」から詳しい情報とご予約をどうぞ!

作・演出『光より前に ~夜明けの走者たち~』

駆け抜けるように生きて死んだ、「美味しゅうございました」遺書で有名な東京五輪の銅メダリスト・円谷幸吉と、そのライバルにして友人であったメキシコ五輪の銀メダリスト・君原健二。二人の人生を題材にした、書き下ろし新作・演出作品です。

東京:2018年11月14日(水)~25日(日) 紀伊國屋ホール
大阪:2018年11月29日(木)~2日(日) ABCホール

出演:
宮崎秋人、木村了、中村まこと、高橋光臣、和田正人

美術:松岡 泉、照明:吉枝康幸、音響:遠藤宏志、音楽:かみむら周平、映像:ムーチョ村松、衣裳:山田いずみ、ヘアメイク:柴崎尚子、演出助手:松倉良子、舞台監督:山下 翼
宣伝美術:山下浩介、宣伝写真:神ノ川智早、特別監修:原 晋(青山学院大学陸上競技部 長距離ブロック監督)、陸上協力:青山学院大学 陸上競技部

企画・製作・主催:
ワタナベエンターテインメント/ゴーチ・ブラザーズ

公式サイト:
https://hikari.westage.jp/

 

NTLive『イェルマ』谷賢一×小川絵梨子スペシャルトーク

小川絵梨子×谷賢一9月28日の劇場公開に先駆けて、9月19日(水)に行われたプレミア上映回、ナショナル・シアター・ライブ 2018 新作ラインナップ『イェルマ』のアフタートークに出演しました。対談相手は小川絵梨子ちゃん。

文芸誌『新潮』10月号にエッセイを寄稿しました

今月発売の文芸誌『新潮』に、エッセイを寄せさせて頂いております。『演劇、ある種の儀式のような』という文章で、『1961年:夜に昇る太陽』の福島・いわき初日の不思議な感覚について書いています。

新潮社さんの出版物、特に新潮文庫には大変お世話になって育ったので、寄稿できて光栄です。その分『新潮45』の杉田水脈騒動は残念でした。僕が寄稿したのは『新潮』であって『新潮45』ではありません。

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演出『レイモンド・カーヴァーの世界』@兵庫県立芸術文化センター

 

レイモンド・カーヴァーの世界会場:兵庫県立芸術文化センター 中ホール(兵庫県)

1980年代アメリカ文学にカルト的とも言える影響を及ぼした作家レイモンド・カーヴァー。その短編小説を注目の演出家 谷賢一とツワモノ俳優陣で―。

独特のスタイルと全くのオリジナリティで読者の心をつかむカーヴァーは、村上春樹によって日本に紹介され、翻訳されてきました。ミステリアスなタイトリングの短編群は惹きつけられる作品揃い。選りすぐりを一期一会のリーディング公演に仕立てます。

▶︎9月1日(土)
水 夏希「足もとに流れる深い川」
渡辺いっけい「コンパートメント」

▶︎9月2日(日)
山路和弘「愛について語るときに我々の語ること」
手塚とおる「ダンスしないか?」「もうひとつだけ」

訳:村上春樹
作曲・ピアノ演奏:阿部篤志