PLAYNOTE どう考えても混乱した年末

2015年12月24日

どう考えても混乱した年末

2015/12/24 02:38

急遽年末、ロンドンへ行くことになったり、絶望的に体調を壊したり、わけのわからん感じになってる。年末はいつも混乱している気がするが、今年のそれはちょっと度を越しているようだ。

あ、SANKEI EXPRESSの連載、次は12/26発売です。衝撃的な内容かもしれません。いろいろ。

「文を作らんとするものはいかなる都会人であるにしても、その魂の奥底には野蛮人を一人持っていなければならぬ。」

芥川龍之介はそう書いた。死ぬちょっと前。ちょっと昔は、なるほど芥川先生も野蛮で危険で情熱的なところを持っていたのだな、なんてのんきに考えていたが、そうじゃない。わざわざこんなことを書いたのは、きっと自分の中にいた「野蛮人」が死にかけていたからだろう。自分が持っているもののことは、当然すぎるからわざわざ書くはずない。死の直前、人間関係や金、病気のことでぐちゃぐちゃになっていた芥川である。自分の中から野蛮人が消えかけている。そのことを意識したんだろう。

私も野蛮であろうと思う。

最近、煮詰まるとギターを手にして、『禁じられた遊び』の練習なんかしてる。高校んとき軽音楽部にいたから、そこそこギターは弾けたんだけど、といってももう十八年も昔のことだし、パワーコードでガンガンやってたくらいのもんだから、指弾きアルペジオなんてほとんどやらなかった。だけど、練習すれば練習するだけうまくなる。気持ちがいい。初学者はそうなんだ。上昇率がわかりやすいから、練習が楽しい。

そんで、原稿に煮詰まったとき、動画なんか見始めると気が付くと何時間も消えているから、ギターを弾くようにしている。なれたフレーズをずっと弾いてると、自分と向かい合う時間ができて、思索が深まるというメリットも発見した。自分と向き合う。静かに読書するときや、ギターを弾くとき、美しい風景の中でじっと佇むとき、家の近所をジョギングするときなんかには、それができる。でも、それ以外の時間は基本的には、わーわー大騒ぎをして、混乱の中をウロチョロしているので、自分なんて全く見えていない。時間のことや金のこと、現場で起きてる問題のこと、人間関係のことなんかでオロオロしているばかりなので、自分なんて全く見えていない。

ときどき自分が途方もなく馬鹿なことをしでかして、本当にへこむときがある。自分の長所を一つも思い出せなくて、消えてしまいたくなることもある。自分が持っているもの、自分にできることは、自分では気づかなかったりする。だから静かにじっくり自分と向き合わないと、自分の価値は消え去る。

もっともっと文章について考えなければならないし、もっともっと本を読まなければならないし、もっともっと書かなければならない。向上心を忘れた瞬間に、人は恐ろしいスピードで堕落していく。もっともっと本を読もうと思うし、もっともっと野蛮に生きなければならない。