PLAYNOTE 高校演劇・中央地区大会B日程1日目、観劇記

2014年09月29日

高校演劇・中央地区大会B日程1日目、観劇記

[演劇レビュー] 2014/09/29 19:37

今日は僭越にも高校演劇の審査員やってきた。中央地区大会B日程1日目という区分。60分×6本、睡眠不足で臨んだのに、一匹の睡魔の訪れることのないまま見倒してきた。……というメモを昨日書いたので、ブログに貼っておく。

正直に言うと「みんな良かった」なのだが、俺も高校演劇から始まった男で、自分にとってイヤな評論というものがあった。

  1. 「高校レベルでこれは凄い」→バカ野郎ガキ扱いすんな高校レベルじゃない感想聞くためにてめぇを呼んだんだろうが
  2. 「みんな良かった」→ならみんな県大会行かせろよタコ

同じく審査員の林成彦さんが大変バランスのいい評論をしてくれたので、俺はもう本音だけ吐いて帰ってきたが、それはあそこでの話。ここには別のことを書く。

十文字高校
難しい本だと思うし俺は出来がいい本だとは思わない。しかし俳優4人で空間を背負い続けたのは見事。一番俳優力が問われるのが会話劇だ。善戦していたと思うし、魅力的な俳優もいた。
都立竹早高校
辻萌という女の才能を称えたい。ウェルメイドプレイを書く素質があると思う。構成も見事だし、台詞も気が利いている。俳優たちも謎に濃いテンションで猛ダッシュしており、走り過ぎなのだがその濃さがいい。褒め言葉としての「バカ」が実に似合う集団であった。辻萌の本は難点もあるが実にバランスが良く今後に期待。
大妻高校
題材の面白さと丁寧なテクニカル周りの詰め、鳴り物を多用した演出が光る佳作であった。稽古で研鑽したであろう集団シーンは見応えがあり、正当な佳作である。
正則高校
間、反応、無対象行動の正確さと言った高い演技力や、一糸乱れぬチームプレーで果敢に『あゆみ』を攻略していた。同作品が持つ豊かさをよく再現しており、相当の稽古を積んだことを感じさせる。One for Allの精神で皆が集団技に徹していたが、抜群に上手い奴が1人混じっていて密かに驚嘆した。
都立晴海総合高校
ここにも天才、杣木百花という女がいた。演出の引き出しの多さ、豊かさと、緩急のつけ方、切れ味の良さは見事。チーム力も高く、結果的に演出アイディアでてんこ盛りの作品に。ココイチでトッピング全部乗せました、みたいな。杣木百花という女は天才には違いないので臆せずじゃんじゃんやって欲しい。
都立千早高校
都立晴海総合のドカ盛り感とは正反対に、シンプルで一貫したコンセプトのある演出。よしだめぐみ、これも傑物。演劇的創意工夫に満ちていて、空間の使い方や画作りがとても上手い。戯曲は短編詩のようで日常的だが美しく悲哀に満ちていて、演出もマッチし明るく透き通るからこそ悲しい空をしっかり見せてくれていた。

いろいろ書いたが俺が高校生の頃やってた芝居よりどの学校も確実にレベルが高かったから(笑)、本当に演劇界全体で時代は動き、技術や知恵は受け継がれているのだなと実感できた。それは幸福なことだ。

俺が高校生の頃と言えば、紀伊國屋書店に行っても今の半分も演技・演劇の本はなかった。「ワークショップ」という概念がようやく出始めて、でもみんな「何そのショップ? 何売ってるの?」と、冗談でも何でもなくマジで訊ねていた頃だ。ワークショップやる度に「えー、ワークショップというのはですね」という説明から入っていた頃だ。そりゃあ違うよな。

また今度「2日目」という区分の審査員にも行くので、そちらにも期待したい。