PLAYNOTE 365日24時間こっそり営業中

2013年04月20日

365日24時間こっそり営業中

[雑記・メモ] 2013/04/20 00:35

今日は本番まであと2週間(くらい)という山場を迎えた『ストレンジ・フルーツ』の劇中映像撮影で朝から晩まで僻地のロケ会場をウロチョロしていて、おまけに昨夜はこの年で漫画喫茶に泊まるという暴挙に出たため、死ぬほど疲れた。疲れたので、あえて直帰せず、久々に訪れた新宿を歩いたんだ。

まずは俺のホーム神社である芸能浅間神社に今年2度目となる芸道成就お参り。悪魔はいると思うくせに、神さまは全然いる気がしない、という自分が唯一、信じているのが芸道の神さまだ。信じている、と言うより、すがっている、と言う方が近い。演劇は未知数で、演劇の現場は不確定要素が多くて、演劇の作品に確たる答えはない。まったく、安定はない。だから祈るのだろう。

人は自分の力でどうにかできることについて、祈らない。自分の力だけではどうにもできないことについてだけ、祈る。

その後、生後おそらく初となる、マッサージを受けるという初体験をこなす。肩と首がパンパンで、頭がずーっとふわふわしてるから、30分だけ受けてみた。決してえっちなお店ではないのです。しかし若い女の子がぐいぐい指圧してくれるというのは、すごくいい。肩と首が見違えるように軽くなったが、もっと軽くなったのは心であった。ほんの少しの愚痴をこぼして、ほんの少しの賞賛を受けただけで、こんなに気持ちが軽くなるなんてね。それより何より、人が人のぬくもりに触れること、そこから出てる何ちゃら波は、きっとすげぇ効能なのだろう。これは人が足繁く通うはずである。

大阪出身のその気さくだが丁寧なねーちゃんは、最後まで丁寧に挨拶をしてくれた。この仕事がとても好きだと言っていた。この新宿で、自分の仕事が大好きだなんて、ニコニコ言える人は一体何人いるだろう?

その後、手近な居酒屋に入り、『ホントに一杯だけなんだけど、いい?』と店長らしきおっさんに声をかけた。店長らしきおっさんは、『何を当然のこと聞くんだろ?』という顔をして、定食のメニューを出してくれた。…定食屋だったのだ、そこは! 見ればカウンターの横に『365日24時間こっそり営業中』『定食だけでもお酒だけでも歓迎』と書いてある。

365日、24時間?? そういやさっきのマッサージ店も、365日毎日休まずやっている、と言っていて、驚いたものだ。僕はせいぜい、丸一日稽古をすれば、身も心もへとへとになって、今日これだけやったんだし明日はよし俳優たちに任せて自主稽古にしよう、と思うくらいの抜け作なのだ。何と言う違いだろう?

決して稽古が嫌いなわけでも演劇が嫌いなわけでもない。わけではないが、いつもちょっとずつ背伸びをしてるから、それでくたくたになってしまうんだ。でももっと、身の程サイズの演劇をやるようになったら、僕はすぐにお払い箱だろう。自分の取り柄は、真剣であるということだけなのだから。

しかし、あの大阪のねーちゃんと、どことなく昭和の刑事ドラマに出て来そうなソース顔の親父の生き方には、見習うべき点がたくさんある。一つには、感謝。一つには、喜び。一つには、継続。一つには、身の程を知るということ。たった1時間ちょっとの間で、何だかとても、ホントにとても多くのことを学んだ気がする夜であった。