PLAYNOTE 湊かなえ『贖罪』

2013年01月27日

湊かなえ『贖罪』

[読書] 2013/01/27 01:22

これも旅先の新潟で手に取り、移動中に読み切った一冊。新潟市内、手裏剣という居酒屋で、こいつを読み切ったときに、「面白いですか? それ」と訊ねてきた店員さん。お元気ですか? 電話番号くらい聞いておけばよかったぜ。

はい。面白かったです。映画『告白』が面白かったので、不安なく手に取りましたが、やっぱり独り語りという形式を僕はこよなく愛しているようだ。そこには事実と主観と感情とが同時に混ざり、事実以上の真実が見える瞬間もあるし、自分を守ろうとして生まれる皮相な嘘が現れる瞬間もある。モノローグ。素敵な形式だ。

小学校時代に起きた一つの殺人事件を目撃した4人の少女たちに振りかかる、記憶と贖罪の物語。いい作品だと思います。人殺しが、ただ人殺しに生まれるのではなくて、ちょっとしたはずみや、ちょっとした手違いで、人殺しになってしまう。ということが、よく描かれています。ちょっとミステリータッチの展開も、読みやすいし。

個人的には2番目の女性、学校の先生の独白がとてもおもしろかったです。この人、こういう、世間と私、という心情を描かせると、本当にうまいなぁ。