PLAYNOTE 平田オリザ著『わかりあえないことから』

2012年11月26日

平田オリザ著『わかりあえないことから』

[読書] 2012/11/26 01:11

本はいいね。人類が生み出した文化の極みだよ。10月に発売されたばっかりの新書、平田オリザ著『わかりあえないことから』読んだ。

僕は一応、名義上は青年団の演出部に入っていて、ほとんどアゴラにも稽古場にも顔を出していない幽霊部員もいいとこだが、オリザさんの言ってることややってることには興味を持っていて、ちょくちょくツアー公演やワークショップの助手についてみたり、意味もなくミーティングに顔を出してみたりしている。春風舎の管理でトラブルがあったときなんかに電話したりすると、おっそろしくリアリストな、しかしおっそろしく色んな人に気を使ったアドバイスをくれたりして、この人やっぱCPUの出来が常人離れしてやがるし、視点がヘンテコで頭いかれてやがんだな、ということを感じたりもする。

ここ三年、くらいですか。そんな感じで平田現場にちょいちょい顔を出して、聞いたり言われたりしたことが、どっさりこの本に書いてあった。ちょっとずるいって思った。

たとえば僕が栃木県と愛知県の某小学校にワークショップの助手としてついてったときの話や、大企業のお偉いさんがどっさり参加している社会人向けワークショップのアシスタントをしてたときの話なんかが、もちろんワークショップのときよりがっちりわかりやすい形で書かれていたりする。コミュニケーション教育、コミュニケーションデザインとは何か。ぜんぜん予備知識ありませんって人が読んでもよくわかるし、刺激的だと思う。

本文で書かれていることとはちょっとずれるけど、読んでいてなんというか平田オリザという人が抱える、孤独の色の濃さと深さを感じたりした。希望的観測とか、気休め、なぐさめ、ごまかし抜きに、人間をしっかり見つめると見えてくる、人間のさみしさとか難しさとか、そんなもの。を、彼は本当に、日々考えて生きてるんじゃないかな。なんてことを考えたりしたんだ。