PLAYNOTE ワークショップ週間

2012年08月11日

ワークショップ週間

2012/08/11 23:33
久々の柏ボンベイ

夏のワークショップ週間が始まった。「ワークショップばっかやってると演劇人はダメになる」と思って、数を控えているワークショップだが、久々にやってみたら僕自身の収穫や刺激が大変多く、むしろ頭を垂れる勢いで参加者の勇敢と熱意に感謝している俺である。ちなみに今、酔っている。

DULL-COLORED POPのワークショップ/オーディションについて

一昨日から始まった、劇団としてのワークショップ/オーディション。定員12人×3チームの36名であっという間に応募者溢れてしまい、急遽4チーム体制で行なって、それでも倍率3倍になっているわけだが、さすがに書類の時点で「お前は何者だ」という奴を集めただけあって、刺激がある。1回目は今後の方向性を占めるレールを敷く程度であったから、まだ連中の底力は見えていないだろう。でも、次回、次々回、次々々回のデキが大変楽しみである。

いずれ告知すると思うが、8/20のWS最終日は、一般観客にも一部公開する予定です。夜だと思います。ご興味ある方は、ご予定あけておいて下さい。千変万化の『欲望という名の電車』や『プルーフ/証明』、『くろねこちゃんとベージュねこちゃん』が炸裂する予定です。

劇団WSをやっていると、考えるのは、俳優の溢れ過ぎという現状だ。こんなにいい俳優が叩き売りのようにゴロゴロいるということ。あるいは、こんなに芽のある俳優がゾロゾロいるということ。しかし制作募集には1人も応募がない。制作にはギャラも出すって言ってるのに、応募がない。100:1くらい違うんじゃねぇかって思う。

そして劇団WSをやっていてさらに感じるのは、いい俳優ほど、方法論を選ばないのだなということ。ダメな俳優ほど「俺はこれ、向いてないから」と匙を投げるのが早い。いい俳優は、「あたい負けない!」って言って突っかかってきたり、「まぁ俺はこのやり方でも俺だから」って言ってぐいぐい突っかかってくる。面白い。弘法は筆を選ばず。そして、これだけプロデュース公演が増えてしまった現在、俳優に求められる器用さとか順応力とかは、過去の比ではないと思う。

そして僕は、ぐいぐい来る俳優に挑発されて、より自分の火を燃やしていく。

柏市民劇場CoTiKのワークショップについて

果ては山梨県から来てくれたり、西東京から来てくれたり、柏市内をはじめ野田や千葉県全域から来てくれたり、そして中にはプロの声優がいたりプロのミュージカル俳優がいたり「演劇はじめてです」な人も混じっていたりと、まぁ多様な人々の集まる中でワークショップをやらせて頂いた。25人以上いた。

人数が増えると、WSは難しくなる。最大公約数的になってしまう。だけど今回、中核に据えた、「表現するということ」、そして「表現を成立させるのは観客であるということ」、この2つについてだけはきちんと話せたと思っている。ウィトゲンシュタインではないが、伝わらないのは必然なのだが、そこに絶望してはならない。何か一つの大事なメッセージがあれば、WSはやれると思う。

ただ、個別に見たいな、声をかけたいな、という人も多々いたのは確かだ。ガチの俳優さんも若干名いたし、ガチの演劇ゴアーも混じっていたし、ガチで「演劇って何ですか?」って人もいたし。間口を広げるWSだったから、25人という人数でもへいちゃらでやったが、やはり「人を見る」WSにしようとすると、僕には12とかが限界だな、と思う。「人を選抜する」WSだったら、逆に100人いても大丈夫だと思うけれども、誰に言うのかによって、言うべき内容は少しずつ角度を変える。

終了後、参加者らと一杯傾けてきたが、もっと話していたかった。自分自身の不器用を呪う。ある人は僕に、「演出家がチャラチャラ人に話し掛けるな」「一歩引いたくらいがちょうどいい」と言うし、ある人は僕に「お客様一人ひとりを大切に」と言うし、ある人は僕に「作り手と客と、厳然と線引をしなければ、緊張感は保てない」と言う。どれも、それぞれの理由で正しい。僕はただ、打ち解けて、気の向くまま話していたいと思う。しかしそれは、ある意味では、「あの谷っていう演出家は、気取っていやがって、気に入った奴にしか話しかけていない」と思われているのだろう。違うんだ。俺も、知らない人に話し掛けるのは怖いし、丁寧な準備が必要なだけなのだ。だから、相手からぐいぐい来てくれると、友達のように、喋れる。

話が飛んだ。演劇を、ファインアートとして考えつつも、でも僕たちの生活に密着した生きるヒントや勇気としても、僕は考えたいと思う。それを十全に伝えるためには、やっぱり時間が必要だ。一つのWSに全力を尽くすということもそうだけれど、同じWSを何度もやる辛抱強さも必要になるだろう。そうやって、人前に立つことで、人は少しずつ磨かれていく。

奇しくも先日、俳優たちに、「俳優の成長は、基礎やヒントはWSや稽古であっても、本当に玉を磨かれるような体験は客前でしかあり得ない」ということを言った。同様に、演出家が磨かれる経験は、やはり人前、客前、俳優の前でしかないのだろう。現場を絶やさないようにしたい。

次回のDCPOPは、11/1からです。大作です。ぜひ、お運び下さい。