PLAYNOTE ロンドン・ヤングヴィック劇場『カフカの猿』字幕翻訳します

2012年04月17日

ロンドン・ヤングヴィック劇場『カフカの猿』字幕翻訳します

[公演活動] 2012/04/17 04:33

ちょろりちょろりと報告してましたが、5/2(水)~6(日)にシアタートラムで上演される、ロンドン・ヤングヴィック劇場/キャサリン・ハンター1人芝居『カフカの猿 ~フランツ・カフカ「ある学会報告」より~』という作品に、字幕翻訳で関わっています。

2つの意味で超嬉しいんだよね。まずカフカは神。「好きな作家は?」って訊かれて、答えるのも恥ずかしいくらい神。影響されて一時期カフカっぽい寓話みたいなの書いていた恥ずかしい過去もあります。そしてキャサリン・ハンターの一人芝居に携われるという贅沢。キャサリン・ハンターと言えば、世界で一番尊敬してる演出家の一人、サイモン・マクバーニー作品や、野田秀樹作品の常連さんで、何度も劇場で観てノックアウトされた俳優。神さま2人のお役に立てるなら、そして神さま2人の名前を汚さないよう、字幕翻訳という地味だけど重要な架け橋として頑張る次第です。

ベースになってるのはカフカの『ある学会報告』という短編で、岩波文庫の『カフカ寓話集』に収録されています。カフカフリークなら語るのも今さら恥ずかしいくらいカフカの代表作。は? 『変身』しか知らない? それは福神漬だけ食べてカレー屋の良し悪しを語るようなもんだぜ。もったいないから死ぬまでにお願いだから『審判』と『城』と短篇集一冊でいいから読んで下さい。『失踪者(アメリカ)』は最後にとっといて。カフカにどっぷりハマってから読むと超面白いから。

人間として生きることになった猿が、どえらい学会にお呼ばれされて、そこでスピーチするぜって話なんだけど、カフカの中ではわかりやすい方でもあるし、何よりも、人間として振舞ってる猿を人間であるキャサリン・ハンターが演じるという二重構造が超絶面白い。まだもちろん本番は観てないけど、つまらないわけがないと思うし、つまらなくっても諦められるわ俺。普通に金出して観に行ってたと思うしな。

資料用として原作の翻訳と、上演に使う字幕の翻訳と、某テキスト(書いていいのかわかんないから秘密)の翻訳をやったんだけど、ドーパミン出てる今なう。外国かぶれはダセェって思うけど、やっぱりイギリスやドイツの演劇にはひれ伏すばかりだ。演劇の質が高いから観客が育つし、観客が増えるから演劇に金が流れて、もっといい演劇が育つ。憧れるばかりのあの国です。もっかい行きてぇなぁ。

字幕っつーとほら、わかるでしょう、字数制限があるし、演劇の字幕なんて短い方がいいに決まってんだから可能な限り省略してて、別に俺が訳したように見えないかもしれないけど、日本一の翻訳を目指しました。キャサリンが再来日したら、芝居に合わせてまだ修正・変更を加えるだろうけど、面倒なんて微塵もなくて、楽しみで仕方がない。世界トップレベルの俳優の一人芝居、その現場につけるという喜び。後学のためにも。勉強します。

たぶん現場をうろちょろしてるので、観に来た人は声かけてね。ばいばーい。

追記

ポストトークに出演が決まりました!

5/2 出演:野村萬斎
5/3 出演:池内紀
5/4 出演:谷賢一
5/5 昼 出演:西岡智(西岡兄妹)
5/5 夜 出演:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
5/6 出演:白井晃