PLAYNOTE くろとベージュの旅4

2012年04月02日

くろとベージュの旅4

[公演活動] 2012/04/02 23:51
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大阪・梅田

信じられないことかもしれないが、東京に帰って来た。東京、新潟、仙台、京都、大阪、広島、また東京。最初から予定されていた、ある意味出来レースの東京凱旋公演だが、各地方都市で吸い込んだ様々なエネルギーを溜め込んで、何も変わらない、でもまるで違う、何つーか合成獣(キメラ)のようなステージが幕を開けます。

DULL-COLORED POP vol.11『くろねこちゃんとベージュねこちゃん』。こんなにもオリジナルで、こんなにも練り込まれた一作は、向こうしばらくないでしょう。演劇も少しは楽しいな、って思えたのは、もしかすっと『ショート7』の頃以来、3年ぶりかもしれないね。4/2~4/8、アトリエ春風舎にて。

今日の仕込みでは、普段の仕込みではありえない、各地のいいとこ取りワードが点在しておった。

「ここは東京・春風舎を踏襲して」
「ここは新潟・りゅーとぴあの、あの感じ」
「そこで仙台・10-boxの影絵芝居を!」
「この釣り位置とオープニングは、京都だ!」
「ここの振り付けと立ち位置は、大阪で!」
「このシーンは広島のミザンスを踏襲して!」

ざっと各劇場の特色を示していくと、

東京・アトリエ春風舎 …… 音に敏感、小劇場ならではの緊密さのある空間
新潟・りゅーとぴあ …… 大空間ならではのダイナミズムと自由度
仙台・10-BOX box-4 …… そもそも劇場じゃねーよ、っていう不自由さから生まれた逆転の発送
京都・アトリエ劇研 …… 理想的なブラックボックス、均整の取れたタッパと間口
大阪・in→dependent theatre 1st …… 劇場さんとお客さんと、そして空間の親しさに助けられた
広島・レイノホール …… 奥さま的なエレガンス漂うおしゃれスペース

と、まぁ、無茶苦茶な、普通だったら回らねぇホールを回って、その都度演出替えをしてきたわけで、さすがに鍛えられている我々である。

俳優にとっちゃいい迷惑だったろうが、毎度毎度にミザンを変えて、でもそれが一番正解に近いってわかっている俺。一つのホンで、7通りの演出が楽しめたんだから、俺が一番得しているような。

帰ってきて感じるのは、やっぱり東京は演劇先進国ですよ。見れる芝居の数も、質も、量も、段違いですよ。でもその分、お芝居の楽しみ方を忘れている。それはマクドナルドや吉野家が殺伐としているのと同じように、大量生産と大量消費のサイクルの中に巻き込まれて、立ち位置を見失っている感じだ。

純然たるクオリティで言えば、新潟が一番で、次が仙台、以下略ってな具合になりそうだが、一番お客が楽しんでくれて、一番お芝居が引き立ったのは大阪だった。京都は均整の取れた仕上がり、広島は変化球ながらリセットして考え直したいいステージ。そして東京。

純然たるクオリティで言えば、新潟に勝るとも劣らないいい仕上がりになりそうな予感がぷんぷんするが、最終的に、お芝居を作るのはお客様である、ということを、これほどまでに痛感したツアー公演は、やっといてよかった。すげーつらかったし、すげーしんどかったし、悪運不運に殴りつけられ続けた3週間ではあった。だけど、しんどい思いをしたからこそ、発見できた本質がある。

まぁとにかく、ぐだぐだ言わず、明日の場当たりの続きでひたすらに精度をあげよう。自信はある。後は、サイが振られるのを待つだけだ。