PLAYNOTE 2012年が電子書籍の夜明けになるかもしれないと思う3つのビッグニュース

2012年02月21日

2012年が電子書籍の夜明けになるかもしれないと思う3つのビッグニュース

[ネット・PC] 2012/02/21 02:14

2012年、ついに電子書籍ブームが、……来て欲しいし、来るかもしれない。今年に入っていくつも嬉しいニュースが飛び込んできた。

  1. すでに発売された一太郎2012 承が、EPUB3形式での保存に対応
  2. Amazon Kindleが日本でも発売決定
  3. 講談社の全新刊、6月以降は電子書籍版も同時リリース

どれもちょっと補足が必要だけど、供給側にとっても利用者側にとっても、ようやくまともに電子書籍を使う環境が整ってきたよね。今日飛び込んできた3番目のニュースがヤバイけど、順番にちょっとずつ書いておく。

1. 一太郎がEPUB3に対応

EPUB3って言われても何のことやら、って人が大半だと思うけれど、EPUB3というのは電子書籍の共通フォーマットのこと。PDFとかと違って、利用者の側でフォントサイズがいじれたり、表示機器に合わせてレイアウトを最適化してくれたりする、まさに電子書籍の本命フォーマット。

一太郎がEPUB3対応、ということは、これからは「誰でも」電子書籍を作れる、ということになる。もちろん今のところ一太郎を持っているユーザーだけだけど、いずれWordやLibreOffice、その他フリーソフトなんかでも対応し始めるだろうし、ぐっと普及と認知が進むだろう。一般ユーザーでも電子書籍を作れるとなれば、当然シェアは大きく広がっていく。

でもEPUB3にもまだ問題点がいろいろある。EPUB3から縦書きが指定できるようになったんだが、肝心のリーダーソフトの方で対応してないものが多いとか、著作権保護のための仕組みがまだ弱かったり。でも電子書籍への関心が増せば、少しずつ改善していくよね。

2. Amazon Kindleが日本で発売決定

これもすげーニュース。米国ではすでに電子書籍のトップランナーとして大きく普及し、2011年の夏には電子書籍の売上数が紙の書籍を上回った→参考。もっとも「上回った」のは紙と電子書籍と両方出ている作品を比較して、のことだけど、この普及率は日本とは比べ物にならない。そいつが日本に上陸するわけだ。

Kindleはとにかく薄利多売でシェア拡大に尽力しており、どうやらかなり赤字でやりくりしているようだけど、それも電子書籍が普及すれば取り返せると踏んでのことだろう。実際、電子書籍が普及すれば、流通に大きな変化が生まれるのは間違いないよね。

日本版Kindleは、本体価格1万数千円と俺的には「全然アリ」な値段で、しかも買えば無料でDocomoの携帯電話回線かWi-Fiを通じてネット接続できるらしい→参考。つまり買ったらすぐ使えて、ダウンロードにかかる通信費は無料というわけ。アメリカでは紙だと25ドルの書籍を電子書籍だと10ドルあたりで販売しているって言うから、10冊くらい本を買うならすぐ元がとれるだろう。マジで欲しい。

3. 講談社がやりやがった 新刊ぜんぶ電子書籍!

これすごいニュースだよね。

出版大手の講談社は20日、電子書籍事業を強化するため、著作者の許諾が得られたすべての新刊を、6月から紙と電子で同時刊行する態勢を取ると発表した。

2012年2月20日20時42分 読売新聞

講談社が! 業界最大手がこの勢いで乗り込んでくるわけだから、回りの業者も黙ってはおるまい。出版業界はもちろん、上記Kindleのような電子書籍リーダーも質・量ともに増えて競争が激化するだろうし、そもそも今の電子書籍の最大の問題点、「電子書籍リーダー買っても読みたい本がない」なんて事態が一変するわけで。

3つほど気になる点はある。まず、上記ニュースソースにもある通り、「著作者の許諾」が得られないとNGなわけで、大物作家がどうリアクションするかによって話題性は随分変わるだろう。次に、値段。これはでかい。例えば700円くらいの新書なら、是非とも300~500円くらいで出してもらいたいけど、まぁ無理だろう。最後に、販売フォーマット。それこそAmazon KindleやiPhoneのiBooksから購入・利用できるんなら御の字だけど、自社独自フォーマットで専用のソフトをインストールしないと……とかだと、かなり残念な結果にはなってしまう。

つまりは売り手側・買い手側の状況が一変するかも

俺も最近はiPhoneに電子書籍リーダー入れて、短編小説なんかは電車の中とかでパラパラ読んだりしている。結構普通に読めるレベルになっているんだよね。重たくないし。読んでるのは青空文庫に収録されてる著作権切れの本ばかりだけど、ここに新刊が並ぶとしたら、結構読んじゃうよ。

おまけに一太郎がEPUB保存に対応しだしたってことは、これからは誰でも出せるわけで、そうなると当然、今までの戯曲なんかを電子出版できるようになってくる。こないだの『ヌード・マウス』では試験的に電子書籍出版に挑戦したけど、専用のリーダーでしか読めないもので、作るのもすごい手間暇かかる感じだったんだが、作成にかかる時間とコストが減るとしたら、十分視野に入ってくる話なわけで。

つまり作り手側の問題と、買い手側の問題が、もしかすっと2012年で一気に激変・解決するかもしれない、ということ。紙の本は残り続けるだろうけど、選択肢の一つとして、安価で便利な電子書籍が登場することは、活字を愛する人間としてこの上ない幸せ。うまくいくといいけどな。