PLAYNOTE ヌード・マウス、公演終了

2012年01月31日

ヌード・マウス、公演終了

[公演活動] 2012/01/31 13:02

Théâtre des Annales vol.1『ヌード・マウス』、無事全日程終了しました。ご来場、どうもありがとうございました。

若手演奏家サミットが終わったのが12/25。そこから小屋入りまで1ヶ月弱、4人芝居、ストイックな会話劇、えらい濃密な時間を過ごてきた。期間中はほぼ毎日12時~21時で稽古やらミーティングやらやって、帰宅してあれこれ雑務。ボロ雑巾のようになりながら、駆け抜けた1ヶ月であった。

「ふだんのDULL-COLORED POPとは違うことをやる」

という出発点から、ゴーチ伊藤さん、青年団野村さんと三人四脚、組んず解れつやってきた。わかりやすい、いわゆる「ポップ」を敢えて意識しないで、本当に面白いと思える台詞、題材、関係性をだけ目指してやってきて、いい挑戦と成果を自分の中に蓄えることができたと思う。

ほぼ全ての台詞が内心のストレートな吐露ではなく、出演者陣にも常に「別のことを考えながら喋ってくれ」なんて難題を吹っ掛けつつの2時間芝居。大変な稽古であったし、大変な本番であった。日本人の会話劇、でもバチバチぶつかる会話劇を書くというのは当初からかなり悩まされ、ともすれば平田オリザ的に関係と目線と間ですれ違いやぶつかりあいを描く方に流されてしまいそうになりつつ、でもぶつかり合う人間が観たい、という一点を心に留めて、最後まで戦ったぜ。

山本亨という巨人に加え、増田俊樹という若駒、佐藤みゆきという才能、そして大原研二という相棒を携えてのただひたすら会話劇という稽古は、骨の折れるものであった。行き詰まる度に永井愛先生の言葉を思い出しておった。「本当に人間らしく」「相手を動かそうとする本当の言葉を」。ぶっちゃけ、ミザンスや小手先、いわゆる「演出の魔法」でもうちょっとズルしてもよかったかな、と思ったりもするが、若いうちに怠け癖をつけてはならん。俳優に託し、俳優を信じるということを随分やって、おかげで俺もズルズルに疲れたわけである。しかしそういうやり方をしなければ見えない真実、見えない関係というのは間違いなくあるわけで、俺はそこにだけ興味がある。

たくさんの大事なお客様、新しい人々に出会うことができたし、稽古場公開、リーディング公演、やたら充実したウェブサイトだとか劇場見学ツアー、アフターイベント、その他もろもろ新たな試みにも手を着けることができたのは何よりの幸せ。作品創造だけでなく、演劇というメディアをめぐって、いろんな実験と挑戦、開拓ができたと思っているから、これは次にきちんと繋げていかねばならん。

そして今、一番、本当に言いたいことは、だがしかしここには書かない。お客様には次の作品で語り掛け、友人や知人には飲み屋のテーブルで語り掛けたい。次回はもっとストイックに、次回はもっとストレートに。知っている、わかっていると思い込んで疑いもしない、そこに落とし穴があるんだよ、いつも。

コメント

投稿者:さき (2012年01月31日 13:31)

ヌードマウス見ました。1回だけだったのですがだいぶ引き込まれました。終わってからもずっと思い出して考えて・・繰り返しています。谷さんの作品、世界観をもっと見たいと思ったのでまた劇場に足を運びたいと思います!

投稿者:Kenichi Tani (2012年01月31日 15:06)

ありがとうございます。楽しんで頂けたのなら幸いです。思い出し、考え、繋げる、そこが面白さだと思いますので、さきさんなりの『ヌード・マウス』を創り上げて頂ければこれに勝る幸せはありません。

今後ともどうぞよろしくお願いします! 演劇って楽しいですよね。

投稿者:Layla (2012年01月31日 16:06)

確保出来たチケットが後ろの方だったので、元々視力が悪いこともあり、キャストの表情が全く分からなかったのが、唯一の心残りです。
戯曲も写真集も残念ながら現時点購入が出来ないので、悶々としております。

つぶやきで書かれていたプロットが早く作品化するのを楽しみにしています。

投稿者:Kenichi Tani (2012年02月01日 20:02)

そそそ、それは残念。。。オペラグラス用意するような劇場ではないものの、ご観劇の際には是非メガネを。僕も視力悪いので、気持ちわかります。うっとうしいですよねー……。

次回作も頑張ります!

投稿者:キャシー (2012年02月06日 13:03)

ダルカラより格段に「わかりやすい」と感じたので意外です(ダルカラを否定するつもりは毛ほどもありません)。主に構成?
より透明に、力強く、かつ広く人に受け入れられる、美味しいコンソメスープのような作品づくりに向かってるのかなと感じて個人的にとても嬉しかったです。いい作家って年取るにつれて水みたいなものを書くような気がしてます。そして実は雑味のない水が一番美味しい。アムリタ。
電波なコメントでごめんね!