PLAYNOTE 黒色綺譚カナリア派『犬と花~早熟の枯れぬ少年期~』演出します

2011年04月12日

黒色綺譚カナリア派『犬と花~早熟の枯れぬ少年期~』演出します

[演劇レビュー] 2011/04/12 01:04
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気違いフライヤー

ずっとずっと一ファンとして観ておりました黒色綺譚カナリア派の、演出を致します。ちっとも現代口語演劇じゃないし、ちっともわかりやすくない、いびつに耽美的でほろりと浪漫的なカナリア派を、DULL-COLORED POPに演出します。5/21(金)より。

今回の公演は、DULL-COLORED POP谷賢一演出の「犬組」と、鉄割アルバトロスケット牛嶋みさを演出の「花組」の二本立て公演。俺の演出する犬組は平均年齢23.57歳、花組は平均年齢36.12歳と、両極端な取り揃え。ご予約はこちらから。→http://bit.ly/kanariaha-playnote

そして以下、公演情報と意気込み、解説等々。

黒色綺譚カナリア派『犬と花 ~早熟の枯れぬ少年期~』

期間と場所
2011/04/21(木) ~ 2011/05/02(月)@下北沢OFF OFFシアター
脚本
赤澤ムック(黒色綺譚カナリア派)
演出
犬編: 谷賢一(DULL-COLOREDPOP)/花編: 牛嶋みさを(鉄割アルバトロスケット)
出演
犬編: 牛水里美、芝原弘、升ノゾミ(以上黒色綺譚カナリア派)、井上みなみ(青年団)、渡辺六三志、山下由、松崎みゆき/花編: 赤澤ムック、山下恵、中里順子(以上黒色綺譚カナリア派)、夏目慎也(東京デスロック)、ほたる、板垣雄亮(殿様ランチ)、トースティー
料金(全席自由、いずれも税込)
「犬」「花」 各チケット: 3,000円
「犬花」セットチケット: 5,000円
「犬花イベント」チケット: 2,000円

タイムテーブル

 
駆ケル23.57歳ノ「犬」編
演出/谷賢一
(DULL-COLORED POP)
■36.12歳ハ豊熟ナ「花」編
演出/牛嶋みさを
(鉄割アルバトロスケット)
日程
13:00
14:00
18:30
20:30
15:00
16:00
18:30
20:30
4/21
(木)
 
 
 
 
 
 
4/22
(金)
 
 
 
 
 
4/23
(土)
 
 
 
 
4/24
(日)
 

17:30
 

17:30
 
4/25
(月)
休演日
休演日
4/26
(火)
 
 
 
 
 
 

4/27
(水)

 
 
4/28
(木)
 
 
 
 
 
 
4/29
(金)
 
 
 
 
4/30
(土)
 
 
 
 
5/1
(日)
 
 
 
 
 
 
5/2
(月)
 
 
 
 
 
 

各公演 受付開始は30分前、開場は開演の20分前。
★ … 犬花イベント。2000円(入退場自由)。トークショー、バンド、ゲーム大会など。

あらすじ

日本、いつかの闇市。

吉雄・鉄雄、2人の青年は闇市で犬肉焼き鳥屋を営んでいた。
どんなに貧しくとも自分達だけは決してこの肉を口にしない事が、
男2人のルールであった。

訪れるエロ写真売りの少年には、夢と美しい姉があった。
その姉に、青年の1人が恋をする。

絶望した青年と少年が対峙する時、
男は開き直り、少年は膝を抱えた。
犬は吠え続ける。

見られたい、見てほしい、見たくない、見せ付けられる

「この写真の女の、股の向こうにゃ何が見える?」
「眩しくってなんにも見えね」

貪欲にならざるを得なかったモノたちへの人間賛歌。

CoRich

観たい! 登録してくれると嬉しいな。

http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=26743 (PCサイト)
http://www.corich.jp/m/s/stage_detail.php?stage_id=26743 (携帯サイト)

ご予約はこちらから

メール、TwitterのDMでも受け付けますが、返信遅いかもなので、こちらの予約URLをご活用下さい。

http://bit.ly/kanariaha-playnote

かなりいい出来です。きっと楽しんで頂けると思います。みんな必死で作っています。これは必見! 見逃したら絶対損しますよ~。なんて、内容もオリジナリティもないバカな公演案内をしてる奴は全員死ね。なので、正直にいろいろ書く。

見所は、カナリア派の若き看板女優、放つオーラで毎日小鳥の二三匹は殺しているであろう牛水里美と、青年団のホープ、若干17歳ながら目下あちこち引っ張りだこの人気女優・井上みなみの一騎打ち。よくよく考えるとネオアングラなんて呼ばれたりもするカナリア派に青年団の女優が出ていること自体が異常なのだが、異常だからこそ面白い。この二人が裏の主役だとしたら、物語の表の主役を張る芝原弘の男臭い存在感もいかす。草食系男子は毎日こまつ菜でも食ってろ。

稽古初日に「マツコデラックスみたいにやって」と言われて困惑している升ノゾミのチャーミングな狼狽や、体を張ってぼこぼこにされている松崎みゆきへの明るい虐待、もう俺も一体何を演出しているんだかわからない変態身体・渡辺六三志の謎の動き、未だに掴みどころのない素っ頓狂な佇まいに俺が逆に当惑している山下由など、変な人がたくさん出ていますね。

演出的には、大変オーソドックスなことをやっているつもり。俺なりに、ここグッときた、という重点に焦点を絞って、赤澤ムック嬢の昭和耽美を自分の引き付け演出してます。とてもえっちにしたいです。そして、安っぽい意味ではなく、もっと精神的な意味でのSMと言うか、支配/被支配の構図に耽美を感じたい。

もう誰しもがわかっているはずだろう。支配され、振り回され、踏み躙られるということは、うっとりするほど気持ちのいいことだということを。自由の空気なんてのは、部屋の換気をするみたいに、たまに吸い込めばいいもので、外を歩いてりゃいくらでも吸える。しかし、不自由の空気の甘さは、巧妙に仕組まれた関係と、的確にデザインされた空間でなければ嗅ぎ取れない。

わかりやすい芝居だとは思わない。俺も今回、理詰めで考えるということを放棄している。理屈は言い訳をしたり人を騙すときには有効になるだけだ。美しかったり、ぞっとするものに理由はない。官能は数式化できないものだ。だから奥深く、そして一生虜にされる。

というわけで、一体全体何を観たんだかよくわからないが、しかしおもしろかった。背筋がゾゾゾとした。俺のポケットモンスターがズボンの中で進化を始めた。私の陰核が2センチ伸びた。気づいたら右脳の片隅に小人さんが一匹住んでいた。そんな感じの作品にしたい。俺も何書いてるんだかよくわからない。

稽古場は俺の演劇人生12年の間で未だかつてないカオスな空気に苛まれており、まだしばらく混乱は続くと思うが、脳みその泡立つ感じのシーンを一つでも多く作りたい。と言ってもやっぱりポップなのが身上の俺なので、割合見やすい感じにはなっていると思う。そういう意味では、もっとぶっ壊した、いや、ぶっ壊れた方がいいのかな、と模索中。

震災の報道ばっかでくさくさするでしょう。人道的だったり感動的だったり、あるいは偽善的だったりする話ばかりで食傷するでしょう。黒色綺譚カナリア派・犬組は、異質です。是非、見に来て下さい。

    ※ちなみに牛嶋みさを率いる花組は、犬組の比じゃなくカオスな劇世界に仕上がっていそうな感じです。まだ見てないからわかんないけど、流れ伝わってくる情報が耳を疑うものばかりです。セット券もあるので、両方見るのは、演出家がどれだけ作品を左右するのか実感する良い機会だと思われます。