PLAYNOTE 『日本の問題』参加します

2011年04月02日

『日本の問題』参加します

[公演活動] 2011/04/02 01:00

2011年末の話ですが、小劇場の7劇団が参加し、日本の政治・経済・社会問題について考える作品を発表する『日本の問題』という企画公演に参加します。『日本の問題』というタイトルだか団体名だかは正直ちょっとどうかと思うんですが、風琴工房やJACROWをはじめとした大先輩の好敵手たちが雁首揃えて参加していて超面白そうです。

以下詳細と、参加に当たっての「思い入れ」を。

公演情報

タイトル: 日本の問題(にっぽんのもんだい)
時期: 2011年11月27日~12月4日
場所: 中野ザ・ポケット
参加団体: アロッタファジャイナ、経済とH、JACROW、DULL-COLORED POP、風琴工房、Mrs.fictions、ミナモザ(50音順)
製作: 日本の問題製作委員会

    ※演目や出演者等については、順次公表をしていきます。

企画発起人はProject BUNGAKUの仕掛け人でもあった松枝佳紀氏。で、松枝さんから、この企画&日本に対しての「思い入れ」を書け、という宿題が出ているので、書きます。

僕は参加団体中、最年少の劇団主宰者です。1982年生まれ。物心がつき、自分の名前を漢字で書けるようになる頃には、昭和が終わり、バブルが弾け、湾岸戦争という意味不明の戦争が起こっていて、大人たちはずっと、昔はよかった、今はもうダメだ、このままじゃ日本は滅びる、テレビでも学校でもそんなことばかりぶつくさつぶやいていた時代です。気がついたら前の時代のツケを背負い込まされていて、政治は腐敗していて当然、経済は右肩下がりが既定路線、宗教も道徳も美徳も何もない世界の空気を吸って育ってしまった。

と、振り返ればそんな悲痛な時代に生まれてきたと総括することもできるんだろうけど、でも俺は割と幸福に生きてきたと思っている。学校ではケイドロやドッジボールで遊んだし、家庭では何週間かに一度、バカ殿だとかドラえもんだとかを見ながらすき焼きを食ったし、ガンダムのプラモは一ヶ月に一個は買ってもらえた。スーファミのソフトだって半年に一本は買ってもらえたし、ディズニーランドにも連れて行ってもらえた。それは十分に幸せな幼少期だったと思っている。

にも関わらず日本は暗い、世界はゆるやかに衰退する、光明も財宝も失われてしまった、そういうブツクサに今でも付き合って生きている。

ちょっと冷静に考えれば、日本がそんなに貧しい国じゃないことは誰にだってわかるはずだ。今回の震災はまさに激甚の損失をあちらこちらに撒き散らしていったけど、それでも日本はまだまだ貧しくない。貧しいのは心だけだ。みんな未だに、マイカー買ってマンション買ってプラズマテレビ買わなきゃ人並み以下で恥ずかしいと思っているし、焼き肉食うなら叙々苑じゃなきゃいけないし、回転寿司はごちそうじゃないと思って味にケチをつけている。「これはほんの、気持ちです」とか「つまらないものですが」とかいった謙譲の美徳を表す日本語がその意味を失い、むしろ「安物ですいません」「でももっといいものがあるってことも知ってるんです」というような、言い訳めいたニュアンスを含有するようになってしまった。

『日本の問題』では政治か経済か社会問題といったテーマについて書くつもりだ。でも俺は、ここしばらくそういう問題に心を張り巡らせてみて、政治も経済も社会問題の解決も、人の心の貧しさを救うことはできないという当然の結論に辿り着き、じゃあやっぱ芸術やってよ、と思っている。

しかし、『日本の問題』では、政治か経済か社会問題といったテーマについて書くつもりだ。政治における心の貧しさや、経済における心の貧しさ、社会問題における心の貧しさについて書くつもりである。

心が貧しい、というのは、「芸術がわかる」という意味でも「気持ちに余裕がある」という意味でも「人格ができている」という意味でもない。心が貧しいとは、今の生を楽しめない連中のことである。花壇を見ても花より虫の方が気にかかり、散歩をすれば空の青さより道端のゴミやアスファルトにへばりついたガムに目が行くような生き方だ。

拝金主義と傲慢な個人主義が席巻する昨今、そこんとこは確かに病禍だが、そこさえ何とかできれば、日本は結構いい国になれると思うよ。今朝俺はお餅を焼いて食べたけどすごくおいしかったし、さっきゴミを捨てに外に出たら肌寒い中にも日差しの暖かさをしっかり感じれた。来月の家賃が払えるかどうかはわからないけど、世界は十分に楽しい。