PLAYNOTE あたしたまにはちきれそうになんのね

2011年02月15日

あたしたまにはちきれそうになんのね

[雑記・メモ] 2011/02/15 03:58

あたしたまにはちきれそうになっちゃうときあんのね。わかっかな、ごめんね、頭悪くて。よくさ、コートのポケットとかからさ、糸くずがぐじゃぐじゃにからまった奴出てくるじゃない、あれ。えっ、お前、糸くず、どっから出てきたお前、みたいな。たぶん小さい糸切れがさ、いつの間にか? まとまって、集まっちゃって、糸くずの玉みたいになってんだろうけど。ああいうの。ああいう感じ。

あたしいつも頭ん中とか胸ん中とかに小さい小さい糸切れを落としてると思いながら生きてんのね、こう見えて。今もさ、ほら、たぶんドーナツ食ってっけどあたし、ドーナツ食いつつの、コーヒー飲みつつの、糸切れまき散らしていきてんだわ、インマイハートっつか、インマイボディっつか。あ、いや、別にナツミは関係ないんだけどさ。ほれそこの喫煙席からさ、流れてくるくせー煙とか、そういうのにイラッと来ちゃうんだわ、あたし。ムカッ、かな。超ちっちゃいの。たいしたことないんだけど、頭もじゃもじゃーってなっちゃってさ、そういうのが、うーん、わかっかな。ちょっとずつ残ってくのね。どっかに。溜まってくわけよ。コートのポケットん中みたく。

だいたいこういう仕事してっとさ、ドーナツ食うだけで一大事なわけですよ。半年ぶりのはらドーナツですよ、これあたし。あ、いや、先月食ったか。でもひと月ぶりのはらドーナツですよ。え? いやいやいや、ちっともよかないって。晩メシ食わずに生きてっから、あたし、ここ一年半? 事務所移ってからこっち、晩メシ食ってませんから、マジで。ドーナツとか、これもう祝祭だから、あたしの。ケとハレっつーのよ、こういうの。あたし実家神社だからわかんだけど。晴れがましい一日なわけさ、ドーナツとか食っちゃう日は。

いやそれ自体が何だかなって感じなんだわ。みんな言うのね、うらやましいわー、モデルとか、あり得ないわー、私なんか九時十時でエクセルですから、みたいな話をね、会うたび会うたびされんのよ。こないだヒロコにも言われてうざっとか思ったんだけど。じゃ辞めろよ、エクセル、って。じゃ食うなよ、そのタイ風ヤキソバ。あたし来てからこっちハーブティー飲んでるだけだからねっつの。相談あっから何事かって思ったら、結婚しようかどうか迷ってるとか、何それ幸せ自慢かよ、タイ風ヤキソバ胃袋ん中で化学変化して爆発して死ねって絶叫したかったわ。何なんですかね、あの、相談と見せかけた幸せ自慢。ヒロコとかあの子あたしよか全然きれいじゃない、あれで痩せたらすごいことになるでしょ? でしょ? それがさ、エクセル叩いて嫌だわー言って、ヤキソバ食いながら、結婚しようと思うんだけど、いいのかなーとか、フォーカスすら絞れてない人生相談をあたしに差し向けてきて。マジ苦痛だったわ、あの3時間。ハーブティー四杯飲んで腹たぷたぷで、あーそうそう、糸切れ糸切れ。糸切れ状態。あたしん中に勝手にまき散らして帰るのやめてって言うか。死ね。

だから結婚の話はいいんだって。メールでも電話でもすりゃいいじゃん。え、じゃあ後で教えたげるから。

とにかくあたし、たまにはちきれそうになっちゃうときあんのね。今日は通販カタログの撮影で3000円のスカートとか4000円のブラウスとか、20着くらい着て、え、こんなもんよ、あたし。そりゃ20代の頃は少しは鼻も高かったけどさ、NISSENのカタログに出てますーっつって、だから何って感じでしょ。NISSENだってあと数年が限度だね。そっからは何があんだか、仕事、さっぱりわかんないわ。事務所に一人あたしより年上いるけど、あの人はほら、これやってっから。いやいやいや、あるある、あるって、あーいや、その話はまた今度ね。長いから。

で、今日は4時に上がって、ぶらぶらしてたんだけど。夜は祝祭だーっつって思ってっから、あ、ドーナツね、ドーナツあっから、わくわくしてんだけど、スーパー行ったのよ。……いやそりゃ行くよスーパーも。ふつうの人間だから、あたしも。で、スーパー行ってさ、何か、ラーメン売ってて。インスタントの。あ、いや、カップ麺じゃなくって、……そうそう、袋入りの。あーこれ懐かしいなー、よく食べたわー、って、何か急に思い出しちゃってさ。よく実家で、ママ帰って来ないときとか、茹でて食ったわー、うまかったー、って。

だけどあんなカロリーの塊みたいなの到底無理じゃん。全然無理なわけじゃん。あれ一袋食ったら十五キロマラソンだからね、カロリー的には。でも何か、キャンペーン中でおまけか何かついてて、何か人形のストラップだけど、手に取るだけとって、あ、この感じ、わかるー、大きさもわかるー、変わってないんだな、二十年前から、とか思ってさ、実家のキッチンとか思い出してホロリですよ。いやそりゃ泣きゃしないけど、気分的にね。それくらいの。

したら、あたしの腕の下から手ぇ伸ばして、中学生か小学校高学年かわからんけど、それくらいの子どもがさ、ニコニコしながらそれ持ってって、そんでね、こっそりママとおぼしき人のカゴに入れるわけよ。そっと。でもママは気づくわけさ。そりゃ気づくよ、カゴ腕にぶら下げてんだから、重くなるんだから気づくでしょ? やーいザマミロ、怒られろー、みたいに思ってたらさ、そのママとおぼしき人がね、言うのよ。何入れたい? って。

あたしもう、ハッ? って。一瞬何言ってたんだかわからんかったんだけど、その子どもが、「タマゴとメンマー!」とか言って、それでやっとわかったの。ああ、このママとおぼしき人物、子どもがさ、勝手に買い物カゴにラーメン入れたってのに怒るでもなく、口開いたら、ラーメンだけじゃさみしいでしょう、トッピングは何がいい、って、こういうわけよ。それに対する返答が、タマゴとメンマって、あり得ないでしょ。何その無欲。無欲感。言うに事欠いてタマゴとメンマって、せめてチャーシューとか言い給えよガキ、と。

そんなこと考えてたはずなんだけどね。あれ、不思議ね。考えてることと、感じてることってのは、別物なんかね。ちょっと泣いちゃって。袋ラーメン右手に持ちながら。何に泣いてるのかもよくわかんないんだけど。でも、何か、急に恥ずかしくなって、ラーメン置いてスーパー出て、で、このお店来て、先にずっと待ってたわけね。ハーブティー飲みながら。

したらもう、そこで、滝。滝汗ならぬ滝涙っつか。ティッシュたまっちゃって、あんた来る前、店員さんにスミマセンこれ、って捨ててもらったくらい。いやもうあたしもワケわかんないよ。ラーメン食いたいわけでもないと思うんだ。タマゴとメンマでもないと思うし。またその母親と子どもが揃ってデブなわけさ。それこそ私が通販カタログの撮影で着てるような? いやそれより安いだろってくらいの、ペラッペラの服来てさ。だけど、あぁ、ラーメン食えるんだな、こいつらって。ラーメン食えるんだわ。ヒロコもうだうだ言ってるけど、ヤキソバ食って。財布気にしながらラーメンだのヤキソバだの食って。くだらねぇ、みみっちぃなぁ、そういうのって、ずっと思ってたんだけどね。ほらうち貧乏だったから。それこそタマゴとメンマー! なんつったら、どっちかにしなさい、って、それ級に貧乏だったから。

そして今、あたしは、ドーナツ食ってるわけ。ドーナツ。重いよ? このドーナツは。祝祭だから。マジ。

でも、そういうことが、三日に一度はあんだよね。食い物だけじゃなくてさ、朝五時起きで始発で長野とか、そういうときもだし、逆に深夜二時アップで、タクシーで家帰るときとか。あとは、自分の写真見て、太ってもないし肌も荒れてないし、別に小皺もなんにも増えてないんだけど、あぁ、年取ったなぁ、なんて思うときとかね。泣きゃしないし、悲しくもならない。慣れっこだからさ、いろいろ。

でも、たまってくのよ。糸切れが。あたしの、何ツーの? 心のポケットっつーの? ブンガク的に言うところの。どんどんどんどん絡まってって、もう、……。たまにね、はちきれそうになんのよ。

え、いつ? ……来週? 来週あたし、日本にいないわ。カリフォルニア。いいでしょー。……本当にいいと思う? アメリカ行ったって何もないよ? ドーナツもハンバーガーも食えないし。もうアメリカは飽きたわ、正直。別に日本で撮れよって思うわ、正直。え? 観光会社のパンフレット。そのうちJRのチラシラックとかに並ぶかもね。

行きたいとこ? ……そうだなぁ。行きたいとこ、ねぇ……。……ダメだ、ごめんね、そういうこと考えるとさ、とりわけダメっつーか。あ、いや、ダメだわ。ごめん。ちょっとトイレ。

すぐもどるから。