PLAYNOTE 国道五十八号戦線を観に来いよ

2010年12月04日

国道五十八号戦線を観に来いよ

[公演活動] 2010/12/04 00:39
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謎の画像

ようやく、何とか、「僕の演出作品です」「是非観に来て下さいませ」と、最後のオススメしても嘘にならないステップに踏み込めた気がしています。

バグった機械みたいに毎日毎日「絶対面白いです!必見!」とか「今回は本当に!」とか言い続けるのも一つの宣伝だと思うけれど、僕はやっぱり商売人でも詐欺師でもないので、確信と覚悟がなければそういうことはしたくない。引き受けた以上はいいもん作らなきゃならないのは当たり前、だがしかし自分から進んで「観に来て!」と言い出すには、一つの葛藤をクリアしなくちゃいけない。その葛藤がない奴を俺は信じないし、自分なら信用しないような人間に、俺はなりたくない。

えーと、つまり、観に来て下さい。面白い仕上がりになってきました。国道五十八号戦線。追加公演も決定して、売り止め間近の回もあるようです。以下のURLからご予約頂くと谷扱いになって、要は僕のギャラが増えます。

http://ticket.corich.jp/apply/24002/kt/

以下少し短編・長編解説。

短編集(国道五十八号戦線異状アリ)について

こちらは、一言で言えば、終わりに関するお話たち。おしまいの迎え方やおしまいの形について。

演出的には、まぁ乱暴なことばかりやっています。僕に言わせれば脚本が乱暴なのです。しかし、それが魅力でもあるのだから、変に自分に引き寄せて、几帳面な芝居にしてもつまらない。台本に寄り添った結果の乱暴さであって、かつ「演劇について」考えた結果の乱暴さであって、不真面目とか粗雑という意味ではない。

「さっき終わったはずの世界」という短編。15分。15 minutes madeにて上演。シチュエーションコメディのような、藤子不二雄のSFショートショートのような、発想一発勝負の作品ですが、愛について、人間の愚かさについて、さくっと皮肉をきかせた作品です。

「テンパってる奴」という短編。20分。ギリギリエリンギAnother Wroksにて初演。国道五十八号戦線の代名詞でもある「どんでん返し」をこれでもかと詰め込んだ作品で、一番扱いづらい脚本なんだけど、演じ手に変態をばかり集めたので、もはや別の角度からの見所が成立しつつあります。僕と感性が近い人は、下手したら全演目の中で一番楽しめるかもしれない。つまり「悪ふざけこそ正義」と思っているような人ということです。

「三鷹の女」という劇団員・伊神忠聡一人芝居。いろいろ削ぎ落としてみました。脚本家がどういう思いで書いたかは知る由もないが、僕にとっては文体といい内容といい、こう演るしかない、演劇への挑戦みたいな内容です。伊神くんとはもっと稽古したいな。レスポンスが悪い、ということではなくて、無口で寡黙なので、もっと知りたい人なんだ。

「三鷹の男」という劇団員・ハマカワフミエの一人芝居。もっともっと削ぎ落としてみました。ちょっと異様な空間と状態が見れると思います。個人的にはこのプランが一番気に入っている。しかし本人にはほとんどプランをお話していない。どういうことだ。でも、これが演劇なのだと思う。実験作です。そして、国道五十八号戦線の最終作です。

長編(国道五十八号戦線異状アリ)について

こっちは、一言で言えば、始まりのお話なんですよ。始めようっていうお話と言ってもいい。未来に関する話でもある。

演出的には、「格闘する会話劇」みたいなことや、「躍動する身体」みたいなことが中心になっている。主に冒頭とラストだけれど、地明かりがベタッと打たれており、音響は転換以外は環境音くらい、ごく控え目。あとは俳優と舞台と道具だけ、なんだけど、そこから生まれる「まさに演劇的なもの」を、一瞬でも多く作ることが今回の僕の仕事だ。

テキストは若干我流に解釈している。僕は初演でこれを観て、こいつは戦争の話でも沖縄の話でもない、〇〇の話そのまんまだろう、と思ったんだが、今読んでもそう思う。だから、それに忠実にやる。

いいか、お前ら、舞台上に俳優がいるということは凄まじいことなんだぞ。だってそいつらは事故るかもしれないしトチるかもしれないし、調子がいいかもしれないし、悪いかもしれない。台本を飛ばすかもしれないし、台本を超えるかもしれない。偶然の積み重ねで演劇はできている。しかし、大抵の演劇の現場では、偶然の要素をなるべく殺す方向で稽古なり場当たりなりをこなしていく。ここは毎回ブレるから、こう決めよう、ここは危ないから、こうしておこう。そういうことを、極力削りたい。

僕にとって、演劇がつまらない場合の大半は、俳優が筋書き通りに動いている場合なんだ。俳優が台本や演出に縛られて、不自由になっているようなものなんだ。だから今回も筋書き通りに行かない要素をなるべく多く投入している。俳優は舞台上で思考するべきだし、偶然に振り回されるべきだし、相手に反応するべきだ。「異状ナシ」は、それの連続でできている。

なんてことを言うと、俳優からもスタッフからも「危ないんで」とか「決めて下さい」って怒られるんだけど、刃物や割れ物や安全管理はちゃんとしているし、決めないと動けないのならそれはつまり下手糞ということだと割り切っている。楽じゃないよ。でも、楽じゃないことをしているからこそ、お客様から高い木戸銭頂いているのだと思うんだ。

ハッピーなお芝居にしたいと思います。

それから

それからもこれからもない。

どっちを観たらいいか

スリーピースのロックバンドの良さがわかる人は、異状ナシを観に行くといいでしょう。美術館に行ったりコンテンポラリーアートが好きな人は異状アリを観に行くといいでしょう。音楽はクラシックしか聴きません、それ以外クソ、みたいな人は来なくていいです。

食べ物で言うと、「バーベキューの後の焼きそばって何故か超うまいよね」という感覚がわかる人は、異状ナシを観に行くといいでしょう。あるいはどんぶり飯をおいしく食べれる人も異状ナシがオススメです。しかし、「ランチはやっぱりメインディッシュとは別に小鉢が最低2つはついたランチセットが一番おいしいし楽しい」という人は、異状アリをこそ観るべきです。おかずをつくりすぎてしまう傾向のある人も異状アリがオススメです。しかし、ここ一週間1200円以下のメニューは口にしてないなぁ、みたいな人は、来なくていいしユニセフに少しその無駄な食費を寄付して下さい。

女の子で言うと、バスケ部の子が好きだった人は異状ナシで決まりです。文化系部活の子が好きだった人はおそらく異状アリで間違いありませんが、体育会系の部活でもテニス部とかの子が好きだった人は異状アリがいいんじゃないかしら。帰宅部の子が好きだった人は、異状ナシです。間違いありません。

小説で言うと、村上龍が好きなら異状ナシへ、春樹が好きなら異状アリへ。カミュが好きだったら異状ナシ、ベケットが好きなら異状アリだな。我ながらいい例えだ。三島由紀夫や坂口安吾が好きなら異状ナシ、太宰治や川端康成が好きなら異状アリ。悪くない。

ビートルズで言えば、1st~Rubber SoulとAbbey Road・Let it be(Get Back)が好きなら異状ナシへ。Revolver~White Albumが好きなら異状アリへ。

お茶で言ったら、コーヒーと抹茶が好きなら異状ナシ、紅茶やハーブティーが好きなら異状アリ。多分あってる。

しかし、どちらも、異状ナシも異状アリも、僕にとっての今の問題である「現前性」についての演劇です。角度は少しずつ違うし、台本を踏みにじるような奇を衒った演出は好きじゃないので、割とまともに見えると思いますが、よく見てみて。その一瞬を、舞台上に跳ね飛ぶ俳優の身体を。僕にとっての演劇を考えているところです。

観に来てくださいませ。ご予約は上掲のURLか、kenあっとplaynote.netまで。

コメント

投稿者:rare (2010年12月07日 00:13)

長編も短編も「異常アリ」になってます…(><)