PLAYNOTE 国道五十八号戦線・解散公演を演出します

2010年11月11日

国道五十八号戦線・解散公演を演出します

[公演活動] 2010/11/11 04:00
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フライヤー

数少ない「明治閥」の戦友であった国道五十八号戦線が、解散します。その、解散公演の演出を谷賢一やらせて頂くことになりました。劇団および劇団主宰・友寄総市浪を跡形もなくバキバキに破壊してきます。

他人様の本で演出をするのは久々だけど、作家・演出家のコンビとしては会心の組み合わせだと自負している。短編入れて全部で5本演出するので、演出家としての腕の見せどころ。既成概念に囚われず、しなやかに、考え過ぎず、演出したい。

国道五十八号戦線解散公演「国道五十八号戦線異状ナシ(再演)/国道五十八号戦線異状アリ(友寄総市浪短編集)」

2010/12/08(水) ~ 2010/12/13(月)@新宿御苑前サンモールスタジオ
前売り:2500円 平日昼割:2200円(要予約) 当日:2800円

出演:伊神忠聡、ハマカワフミエ、(以上国道五十八号戦線)、浅倉洋介(風琴工房)、東谷英人、さいとう篤史、佐野功、詩森ろば(風琴工房)、田中美希恵(贅沢な妥協策)、中村梨那、西尾友樹、野田裕貴(バナナ学園純情乙女組)、山本卓卓(範宙遊泳)

予約: 自動的に谷扱いになります。
http://ticket.corich.jp/apply/24002/kt/

解散公演の演出をするということ

「解散公演だから」

というのは、実は俺にはほとんどどうでもいいことだと思っている。だからと言ってセンチメンタルなことをやる必要はないし、だからと言って奇を衒ったことをやる必要もない。きっちり台本に正対して、「これ」と思うポイントから目を離さないこと。世間にはアレンジの奇抜さを喜ぶ手合いも多いようだが、古典戯曲かさもなくば岸田賞受賞作品でもなければそんなもん必要ない。

小さい頃、学校の給食で「カボチャのオレンジ煮」とか「マグロのマヨネーズ炒め」とかわけのわからんものがたくさん出た。その度に俺はこう思ってたんだ。カボチャは普通に似て食え。マグロは竜田揚げで十分。毎日パスタを食うイタリア人があれこれ味付けを変えたり、毎日味噌汁を飲む日本人がどれそれ具を変えたりするのとは意味が違う。おいしく料理すること。それだけが大事だ。

解散とか別にどうでもいい。いいもん作ることが、一番のはなむけだし、せっかく外部演出なんだから、自分らしくやることがとても大事だ。譲り合って作ったものにはロクなもんがない。だったら「友寄殺す」くらいの勢いでやるべきなんだ。

キャスティングについて

キャスティングは練りに練りました。おそらく一見目を惹くのは出演:詩森ろば(風琴工房主宰)というクレジットだろうけど、これも三十代~六十代の俳優さん十名近くリストアップして、ベストと思われる一手である。馬鹿にすんなよ、俺がそんなつまらん話題づくりすると思うか。そりゃろばさんにも失礼だわ。ちょっと特異な個性を持った役なので、屹立した存在感のある人が欲しかったんだ。いい立ち位置・立ち方であると思う。

そういう意味では山本卓卓くんが出演しているのも同じような目線からなのかもしれないな。浅倉くんにせよ田中ちゃんにせよキャラ立ちしている人が異常に多い印象があるかもしれないが、国道五十八号戦線の、一見ウェルメイドに見えて実は無茶苦茶ファンタジックでコミカルな作風には、そういう人が似合うと思っている。過去に出演した人々も、奇人・変人・怪優が多かったことを思い出す。

国道五十八号戦線解散公演「国道五十八号戦線異状ナシ」(再演)×「国道五十八号戦線異状アリ」(短編集)

脚本:友寄総市浪(国道五十八号戦線)
演出:谷賢一(DULL-COLORED POP)

劇場:サンモールスタジオ
〒160-0022 東京都新宿区新宿1-19-10 サンモール第3M-B1

○キャスト○
伊神忠聡、ハマカワフミエ、(以上国道五十八号戦線)、浅倉洋介(風琴工房)、東谷英人、さいとう篤史、佐野功、詩森ろば(風琴工房)、田中美希恵(贅沢な妥協策)、中村梨那、西尾友樹、野田裕貴(バナナ学園純情乙女組)、山本卓卓(範宙遊泳)

○タイムテーブル○

12月
08日(水) 19:30 「異状ナシ」
09日(木) 19:30 「異状アリ」
10日(金) 14:00 「異状アリ」 19:00 「異状ナシ」
11日(土) 13:00 「異状ナシ」 19:00 「異状アリ」
12日(日) 13:00 「異状アリ」 19:00 「異状ナシ」
13日(月) 13:00 「異状ナシ」 18:00 「異状アリ」

※08日(水)19:30の回は、終演後にオープニングパーティーあり!
※09日(木)19:30の回は、終演後にポストパフォーマンストーク(谷賢一×ハマカワフミエ)あり!
※金曜・月曜のお昼は、平日昼割=2200円!(要予約)

○チケット○

前売り:2500円 平日昼割:2200円(要予約) 当日:2800円

予約: 自動的に谷扱いになります。
http://ticket.corich.jp/apply/24002/kt/

「国道五十八号戦線が解散する」ということについて

解散公演、ということはどうでもいいが、解散すること、については、思うところはいくつかある。「残念だ」というのは簡単だけど、構成メンバーがそれを決めたのなら外野が口出しすることでもない。そういう意味では、別に残念ではない。

ただ、諸行無常であるなぁと思う。不条理だなぁとも思う。とあるサッカー選手の名言に、

「強い者が勝つのではない。勝った者が、強いのだ」

というのがあるんだが、俺はいつもこの言葉を思う度、だから俺はやめられねーし、やめたときには見苦しい言い訳なんかせず「自分にゃ才能がなかったんだ」と思うべしと考えてきた。だが、こうして注目を集めつつあった若手劇団が一つ消えるということを前にすると、「勝った者が、強いのだ」という言葉が、ひどく皮肉に聴こえてくる。

裏を返せば、弱いから負けるんじゃないし、負けた奴は弱い奴というわけでもない、ということだ。いろいろな、本当にいろいろな要因がある。そんな人間模様のバタフライ・エフェクトを前にして、慄然とするばかりである。

ちょうど一年前くらいにDULL-COLORED POPが「活動休止」した頃、活気に満ちていた国道五十八号戦線が、DULL-COLORED POPの「活動再開」が具体的になり始めた頃に、解散する。こちらは「休止」じゃなくって「解散」だ。重たい。

ただ、「やめんなよ」とも思わない。クリエーションは、やめたっていい。タイムカードを押すようにしてステージに立ち続けたカート・コバーンのことを思い出すとき、僕は別に「やめんなよ」とは、思わないんだ。

あれこれ

稽古がもう始まっているんだが、やぁ、初絡みが多いので、しかもベースは会話劇なので、大変そうである。会話劇は、手先の器用さだけでは太刀打ち出来ないところがあるからだ。

5本も作品がある、ということは、実はあんまりプレッシャーではない。うち4本はもう照明プランまで決まったようなもんだし、うち2本は音響プランまで決まっている。一人芝居の「三鷹の男」「三鷹の女」に関しては、ちょっと面白い実験ができるなぁ、とも思っている。これ観て欲しいな。

「異常ナシ」という長編(と言っても初演は1時間15分ほどだったようだが)に関しては、初演を観ていて「自分ならこうするのに」を思っていた内容だったから、どこまで自分本位に踏み込めるか、気を緩めちゃいけない。劇団にとって初の学外進出公演だったこの作品、劇団員たちはこの台本を愛しているだろう。思い入れも解釈もあるだろう。「そんなの関係ねぇ」と、強がっておきたい。

いい作品にしたいし、いい公演にしたい。