PLAYNOTE 倉橋ヨエコ『解体ヨエコショー』

2010年09月23日

倉橋ヨエコ『解体ヨエコショー』

[音楽・ビートルズ] 2010/09/23 08:37

根暗な情念を素晴らしくポップに歌い上げる謎の平成シャバダバ歌謡歌手・倉橋ヨエコの解体(解散)ライブのDVDがついに発売。2008年7月20日、東京キネマ倶楽部にて行われたライブの模様を余さず収録しており、ファンなら必見の内容であった。

まず言っておくが、映像も荒く、音質も悪く、今の高画質・高音質当然の風潮の中で、ちょっと常識で考えたら「売り物にはならない」レベル。

だが「売り物にはならないレベル」の映像とわかっていても発売したのは、裏を返せば本当に強いファンからの要望があったから、らしい。まぁ、画質が荒いと言ってもYouTubeの映像なんかよりは全然高画質だし、音だってiPod付属のイヤホンでも十分音楽を楽しめる僕らなら問題ない。ふつう、クリエイター側からしたらお蔵入りにしたくなるようなコンディションの映像を、ファンのために蔵出ししてきたサービス精神に拍手。

ずっしり二枚組の内容で、やたら分厚いブックレットが同梱されている。『或る女の生き方、倉橋ヨエコ・その半生を語る』と題されたロングインタビュー、直筆イラストやメッセージに写真等々も掲載されており、かなり読み応えがある感じ。創作秘話なんかも載っていて、あのトンチキな作風がどこから出てきたか、すごい面白い。

肝心のライブ本編だが、やぁ、解散ライブだと言うのに、しかもこの歌詞内容だと言うのに、相変わらずニコニコ笑顔で高らかに歌い上げる倉橋ヨエコ。本当に音楽やピアノや歌や自分の書いた歌詞を愛しているのだなぁ、楽しくて仕方ないのだなぁと。先日ライブ映像とPVを詰め込んだ『ザ・☆狂鍵ヒットパレード』も見せてもらったのだが、解体ライブだというのに今回も変わらず、晴れやかな笑顔で「人っ間~やめても~」とか「夜は自己嫌悪で忙しい~」とか「ごめ~んな~さい~」とか歌っていて、その強烈な違和感にノックアウトされる。

珍しくMCなんかも収録されており、一つ一つ言葉を選びながら、丁寧に、素直な感謝の言葉を語っていくヨエコ嬢。あれほど執念やら情念やら渦巻いた歌を作ってきた人が、これほど明け透けに「ありがとう」が言えるんだな、と意外でもあるが、倉橋ヨエコの歌は内容はガンガンにローなのに聴くと何故かとても元気になる。笑っちゃうし口ずさんでしまう。その辺の奇妙な感じは、彼女自身のああいう丁寧で素直で明け透けな「ありがとう」を考えると、ちょっとわかる気がしたんだ。

一度どっぷり、倉橋ヨエコの浸ってから観るべきDVDではあると思うが、平成日本歌謡界のまさに異端児、倉橋ヨエコの「解体」を目撃する素晴らしい機会なので、ファンは必見の内容なのであった。

コメント

投稿者:酒巻 (2010年09月25日 06:08)

こんちはー。
ちょっと前に谷氏が風邪をひいてたって聞いたけど、もう大丈夫そうね。
稽古は順調ですかー?

ピカレスクは僕も読んだよ。
小説読むより楽しかった。
あと井伏さんの書いたやつは、タイトル忘れちゃったけど、井伏さんのお人好さが出てて面白かったよ。

舞台必ず観に行くからね。
ではではまた。

投稿者:Kenichi Tani (2010年09月25日 10:55)

酒巻さんこんにちは! 風邪は実はだましだましで完治していないっぽいんです(><)。早く治したいなー。

ピカレスクは本当に読んでいてわくわくしますね。酒巻さん読書家だなぁ。結構、あれくらいの分量読める人って、今減ってきていますよね。

舞台ぜひ観に来て下さいー。ではまたー。