PLAYNOTE Project BUNGAKUの稽古が先鋭化しつつある

2010年09月18日

Project BUNGAKUの稽古が先鋭化しつつある

[公演活動] 2010/09/18 23:41
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愛しの亜希にゃん&コロにゃん

Project BUNGAKU『人間失格』の稽古が先鋭化している秋。コロが震え百花がとろけ、ハマカワのおっぱいを触る日々。あぁ、器用な人たち集めてよかった。私、苦労もありますけれども、お稽古楽しゅうございます。

今回は久々に演出的に遊べる内容なので、ドーパミンを放出しカフェインを摂取しながらざくざくと台本を切り刻んでいる。反応のいい俳優が多いので、あれもこれもと試したくなる。今回やろうと思っていることなどを書く。

『人間失格』を、20分でやります。

……無理でしょう。無理ですよ、それは。だが、やっているのです。そうして、面白くなりつつあります。

前々から去年やった『心が目を覚ます瞬間 ~4.48サイコシスより~』めいた、脱臼したような演出、リミックスorマッシュアップされたような演出をしたいと思っていたのだけれど、それがようやく形になり始めている感じだ。たぶん、やってる俳優たちの中には「これ、何やってんだろ」って思ってる人もちらほらいるんじゃねーかって思うけど、もう少し小慣れてくれば、何をしようとしているのかわかるはず。

今回、かなり意図的に、演技の種類というものを区別して演出している。大雑把に言うと、

  • 古典悲劇的、あるいは特権的身体論的オラオラ芝居
  • コメディ的、あるいはパロディ的演技
  • スタニスラフスキー的リアリズム/ナチュラリズム演技
  • 現代口語演劇的、「素」演技、あるいは素っ頓狂演技

まだ他にいくらでも区分は可能な気がするけど、いろいろ混在していて、非常にいびつな仕上がりになりそうだ。シェイクスピア俳優の平幹二朗氏とハイバイの金子岳憲さんが並んでいるような舞台にしたい。わけわからん。

なので嫌いな人はすごく嫌いだと思う。いいね、この響き。嫌いな人はすごく嫌い。自分の主催公演ではないけれど、稽古場的/内容的にはほとんど自由な「自分の現場」なので、そういうことができる。

多分僕は、ウェルメイドということにちょっと今微妙な距離感を感じているんだと思う。ウェルメイドとかやろうと思えばいくらもやれる気がするんだが、あえて悪ふざけしてみたり悪趣味なハードコアしてみたりチープスリルしてみたり、天邪鬼なことを続けている。でもそれも、最終的に自分なりのウェルメイドを獲得するためのステップなのだろう。

来年にはもう一度、すごくシンプルな会話劇をやってみたいと思っているし、同時にすごくアーティスティックなお芸術をやってみたいとも思っている。今回のProject BUNGAKUでは、うちの前にひょっとこ乱舞、アロッタファジャイナ、青☆組と十分に安心できる、それどころか驚異すら感じる実演家たちが揃っている分、最後に「は?」ってものをやりたい。

あ、でも、きちんと『人間失格』してると思うし、全然わかりづらいものにはなっていません。わかりやすすぎてどうしよう、ってくらい、わかりやすい。でも演劇を見慣れた人には、何やってんだろうこいつら、っていう違和感を与えられるんじゃないかと思っている。

違和感。それは、表現にとって重要なことだ。僕は蜷川幸雄が昔インタビューで言っていた、演出は基本的には驚きを作ることにある、というのは、すごく乱暴にあらゆる演出の真髄を言い得ているように思う。驚き、と言えば若干スペクタキュラーな印象を与えるけれど、違和感、と言えばもっと幅が広くなるのかな。面白さ、と言ってもいいが、それはあまりに多用されすぎていて、逆に意味がわからないんだろうし。

* * *

コロちゃんがさすがにいい。あぁ、本当に柿喰う俳優の人々は付き合うと面白い。今まで七味さん、れおくん、コロちゃんとお手合わせさせて頂いてきたが、誰も彼も反応速度がとてもいい。コロちゃんは手癖で芝居をやらないし、こちらが恐れ入るほど演出に忠実なのだが、どう演出をつけても損なわれない個性というものをきっちり持っているので踏み込める感じがいい。さすがあの大人数芝居の中で揉まれつつも自分の立ち位置を獲得していっただけのことはある。

二度目、三度目のお付き合いになる百花、三嶋、そうして今回初参加だが異常に相性のいいTheatre劇団子の大原さんも、勘がよく謙虚で、どいつもこいつも全然年上なんだけど、あぁ毎度ながら僕なんかの言うこと聞いてくれて、演出につきあってくれてありがとうって感じだよ。

今回、安易に小劇場スターシステムにしていないのは、恐らくお客さんには不満な人も出るんじゃないかと冷や冷やしてはいる。俺は☓☓ちゃんの顔がもっと見たくて、声が聴きたくて来てんだよ、という人々ね。それ自体を批判するつもりは毛頭ないし、それも芸術でありながら芸能である演劇の一つの楽しみ方であることは否定しないけれど、いわゆる小劇場で売れっ子な人々は、やはり器用なのです。そういう人々にきっちり脇を固めてもらえる、土台を作って支えてもらえる、というのは、とてもとても安定感。

過密スケジュールで稽古しているけど、この座組で三本くらい芝居打ちたいなぁ。二回目はス散文会話のトレートプレイやって、三回目は古典悲劇とかやりたい。それがやれそうな座組である。

ハピネス。あるいは、充足感。

二時間ごとに入れる小休憩で、疲れた頭を撫で回しながら煙草を吹かすとき、現場にいる人々一人一人に感謝する日々なのだよ。割とマジでな。

公演の詳細はこちらから。
http://www.playnote.net/archives/001625.html
予約用URはここ。
http://ticket.corich.jp/apply/21919/003/
CoRichで「観たい!」をぜひ登録してください。チケプレも始まったようです。
http://stage.corich.jp/stage_hope_detail.php?stage_id=21919

アフタートークゲストがばりばりに豪華だけれど、公演本体も、大変面白いものになりそうなのです。うちはまぁ好き嫌いも別れるだろうけど、4団体ありゃ一つはハマる団体があるに違いない。演出家同士で会議すると喧嘩ばっかりなんだけど、お互いリスペクトしているからできる喧嘩、みたいな空気があって、それは、劇場にも充満すると信じている。

僕は、演劇をやっています。
観に来て下さいませ。