PLAYNOTE 猪瀬直樹『ピカレスク 太宰治伝』

2010年09月17日

猪瀬直樹『ピカレスク 太宰治伝』

[読書] 2010/09/17 16:09

Project BUNGAKUでアフタートークゲストにも出演して頂く猪瀬直樹氏の、長大かつ緻密な太宰治伝。勉強がてら読んだ。

文庫版にして556ページ、単行本版でも479ページという大著で、まず一言目の感想は「よくもまぁ、ここまで」。人間・太宰治と彼を取り巻く人々を綿密に綴った伝記。

読後の感想は、あぁ、やっぱりダメな人だったんだな、太宰。

無頼派無頼派言われても毎日決まった時間にきっちりきっちり仕事してたとか、身の回りの人には優しかったとか、色々言われるけど、借金と薬と女の嵐で、そうでなければ生きられなかったのだろうということはひしひし伝わってくるものの、やっぱり、すごく、ダメ人間だ。

それが裏を返せば猪瀬氏の言う「生きようとする太宰を描いた」ということなのだろうし、生きようとする太宰を見れば見るほど、死んでしまった太宰を思う。最後の入水自殺についてだけまだくっきりとわからないが、永遠に謎なのだろうな。

ダメ人間とダメな人は違うんだ。すごくダメなのに、周りがついつい助けちゃう感じ、その愛嬌は、太宰の文学にも顕著に現れている。