2010年09月01日
ビリー・ワイルダー監督『情婦』
驚愕の展開、凄まじいどんでん返しと煽られて気になっていたこと、愛の物語であるらしいということ、そして決め手は監督がビリー・ワイルダーだったので観た。
どんでん返しあるよー、とわかっていて、身構えていながら、予想だにしない角度からどんでん返しで裏切られて、しかも裏切られて気持ちいい名作でした。
映像美という意味では白黒映画にはもっと綺麗な映画はたくさんあるし、愛の物語というのなら名作は他にもあるだろうけれど、脚本の完成度と俳優の演技はちょっと並外れたレベルで、気持ちよくストーリーに乗せられてしまった。ワイルダー監督はエスプリのきいたエンターテイメント映画を撮らせたらやっぱりちょっと右に出る者がないと思う。50年も前の映画なのに、退屈しないで観れる120分。
印象に残ったシーンなど。
女優の演技がまたいいんだ。観てみてください。これ、本当すごいです。……ネタバレになっちゃうので、詳しく書けないのが歯がゆいのだが。
主人公の弁護士役を演じたチャールズ・ロートンは、イギリス王立演劇学校(RADA)の卒業生で、愛嬌のある看護婦を演じたエルザ・ランチェスターは元イサドラ・ダンカンの教え子で、まさに怪演を見せているマレーネ・ディートリッヒはマックス・ラインハルトの演劇学校を出ている。何気に主役級を舞台のエリート教育を受けた面々が演じているんだな。
脚本も元は舞台用のものを書き換えたというし、その他の俳優の演技もどことなく舞台俳優のベテランの技っぽいものを感じさせる。当時はすごい俳優がごろごろいたんだな。
とにかくとにかく、女優を目指している人なんかはこれ観て度肝を抜かれるといいと思うし、脚本書く人はビリー・ワイルダーの構成力に舌を巻くといいと思うし、アガサ・クリスティの偉大さを思い出すといいし、って言うか誰にでもさらりとお薦めできちゃう映画であった。
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