PLAYNOTE フランシス・コッポラ監督『地獄の黙示録』

2010年08月11日

フランシス・コッポラ監督『地獄の黙示録』

[映画・美術など] 2010/08/11 00:49

まだ観ていなかったので観た。何か戦争映画観たかったので。

大して期待もせずに観始めて、もうほとんど好きな映画ベスト5入り確定なくらい度肝を抜かれた。これが1980年の作品って、どういうことだよ。

一つ。まず映像美が凄まじ過ぎる。フィリピン軍に要請して本物の軍用ヘリを使い、ディテールにもモブにもこだわった戦闘シーンはもちろん、食事の風景だったり、シーンの合間に挟まれる自然の映像だったり、人間の表情だったり、思わず立ち上がりたくなるほど美しい映像が止めどなく流れ続ける。グロテスクでエゴイスティックで不可解な戦争の様子、特に恐らく有史以来最高に無益で利己的であったベトナム戦争の醜さを、美しい映像の中に閉じ込めるアイロニー。もう、理性じゃなくて官能が震えるくらい。

冒頭、ウィラード大尉が部屋で一人で酩酊し暴れ回るシーンだけで「観て良かった」と思ったし、その後軍に呼び出されて食事をしながらカーツ大佐のナンセンス詩のテープが流れるところで思わず席を立ちメモを撮ったし、有名なワグナーをバックにヘリが飛ぶシーンやジャングルの奥地へ進む光景など鳥肌立ちまくりであった。こういう、感覚を揺さぶってくれる映画に、多くの言葉は必要ない。

書き忘れたが、冒頭のThe Dorrs"The End"が流れた時点で、何か不吉な、そして完成されたものが始まった予感がしたんだ。これほど美しい映画もなかなかない。

後半ははっきり言って退屈だったが、前半だけで120点くらい取っちゃってたのでもうどうでもよかった。また観たい。