PLAYNOTE 米林宏昌監督『借りぐらしのアリエッティ』

2010年08月08日

米林宏昌監督『借りぐらしのアリエッティ』

[映画・美術など] 2010/08/08 00:45
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急に誘われて観てきた。池袋HUMAXシネマにて。

ジブリらしい田舎や自然の美しい描写と、うまく散りばめられた伏線、魅力的なキャラクターたちで、ほっこりさらっと楽しめる90分間であった。

人間の家の床下や壁の裏に隠れて住んでいる小人さんのお話。アリエッティは東京郊外にある古いお屋敷の床下に住んでいて、ついに今日から「借り」を始めることになっていた。「借り」とは、人間の家からお砂糖やティッシュペーパーなど身の回り品を「借り」てきて、自分の家に使う小人たちの習わし。ところがお屋敷に越してきた病気がちの少年・翔に姿を見られてしまい、という。

メアリー・ノートンという児童文学作家の『床下の小人たち』が原作になっているらしい。すっごい読みたい! 映画の雰囲気も牧歌的だけどスリルがあって楽しかったが、こういう児童文学は独特のゆったりした時間の流れ方や優しい文体、小さな知恵がたくさん詰まっていて、読んでいてとても楽しいんだ。

映画の方は、あんまり深く考え過ぎたり論評したりせず、家族でポップコーンでも食いながら、あるいは恋人と手でも繋ぎながら楽しく見るといいんだと思う。

個人的には病弱で内気な少年という設定存在自体に鳥肌が立つほど嫌悪感があって、ぶん殴りたいとは言わないが「早く元気になってね、じゃ」でOKなので、神木隆之介の声ともども事あるごとに「勘弁してー!」って叫び出しそうだったが、それ以外はよかった。どういう評価だ。

冒険が楽しいんだ、冒険が! というのは男の子な自分の印象。戸棚の上から床に降りる、それだけでも小人にとっては一大事で、そういうところの描写がきっちりとスリルを伴って描写されていたのがいい。

体が小さい小人のことなので、例えばお茶を注ぐシーンで水の表面張力の掛かり方が大きくなっていたり、あるいは人間の声や物音が地響きのように太く聴こえるよう音響調整を行っていたりと、さすが手抜かりのない映画作りをしているジブリさんには頭が下がりました。こういうのって、きっちり小人の目線で物事を考えて、小人の目線だったらどうなるだろう? って真剣に考えないと思いも寄らないところだからね。