PLAYNOTE ピクサー『モンスターズ・インク』

2010年08月03日

ピクサー『モンスターズ・インク』

[映画・美術など] 2010/08/03 16:16

『トイ・ストーリー3』を観に行ったが3D版しかやってなくておめおめ帰ってきて、ヤケクソになって「ピクサーだから」っつって観た。結果的には全力で楽しんでしまった。

娯楽映画としては「パーフェクト」な出来。もう8年も前の作品だが、CGは今見ても素晴らしくて、デフォルメされてるけれど本当に存在する生き物みたいな気がしてくるし、脚本や演出、その他小さなこだわりの結晶体で、単純に出来がいい。特に脚本は素晴らしい出来だと思う。伏線の撒き方も拾い方も美しいと言っていいくらいよくできている。

親子で見るには本当にぴったりの作品だと思う。子供ならサリーやマイクを楽しいモンスターの友達として見るだろうし、親ならサリーを自分たち、ブーを子供のように見れるのだろう。

すっごい新しい童話の形が生まれつつある感じさえした。モンスターが主人公で、モンスターも人間を怖がっている、という形は、大仰に言えばポストモダンの童話である。ちょっと前までは、天使も悪魔もモンスターも本当にいるかもしれないもので、モンスターを「かわいい」なんて方向に持っていく試みは、なかったわけではないがほとんど見られなかった。そして世界的な大ヒット。ディズニーと言えば既存の古い童話や物語を映像化して大ヒットを飛ばしてきたわけだが、ピクサーと組むことで、全く新しい一つの童話のスタイルを見せてくれた。

あと、DVDの特典として入っていた音声解説がすごかった! DVD本編の副音声みたいな感じで入っていて、スタッフたちがフリートークで90分まるまる全部解説し倒す圧倒的な分量。これ、演出や脚本の勉強にさえなると思う。こういう効果が欲しかったのでこういう工夫をしたんだ、とか、最初はこういう展開だったけど問題があったのでこう書き換えた、とか、なかなか聞ける話じゃない。「このシーンは最高だね」「この俳優の演技は素晴らしい」「お前の発想は完璧だった」とか、内輪で褒めまくってる感じはちょっと笑える。

そういう技術的な話も面白かったが、結局この映画を素晴らしいものにしてるのは、有り体に言えばスタッフの「愛」なんだろうなと思ったよ。音声解説を聴いていたら、とにかく膨大な量のこだわり、キャラクターだけでなく机に置いてある文房具の一つ一つにまで愛着を持っている。こういうモノづくりをしていれば必ずいいものが作れる、というわけではない。だが、いいものを作るには、必ずこういう愛着なり執着なりがなければならないと思うんだ。

想像以上に面白かったので、「緑色のギョロ目きもちわるいだけです(><)」と思っている三日前の俺みたいな人は、一度観てみるといいよ!