PLAYNOTE 細田守監督『時をかける少女』

2010年07月14日

細田守監督『時をかける少女』

[映画・美術など] 2010/07/14 11:55

激賞されたのでわくわくと観た。わくわくした。

筒井康隆の『時をかける少女』をリメイク。ちっちゃなタイムトラベルである「タイムリープ」が使えるようになった女子高生が、妹に取られそうになったプリンを取り返そうとしたり、カラオケを10時間ぶっ通して楽しんだりするためにその能力を駆使する映画です!

中盤までは本当にそうなんだ。青春映画みたいなんだ。淡い恋心だったり、テストへの不安だったり、男友達との距離感だったり。よく描き込まれた背景と、ぬるぬる動く愛嬌のあるキャラクター。アニメ映画っていいなぁと思える絵作りと演出。すっごいマイルドなSFみたいな。

が、中盤で急にSFとシリアスが飛んできてびっくりする。くだらねーことに能力を使い過ぎたことで、主人公は大きな喪失と後悔を味わう。荒廃した未来の世界のこととか、タイムリープの秘密とか、急にSFし出す。それまでの伏線がぐぐっと機能し始めて、ちょっと行き着く暇もない。

だけど最後はきっちり青春と言うか、身の回りの日常にお話が戻って来て、中盤の怒涛の展開があっただけに、彼女が何を手に入れて何を失ったのか、強烈に意識させられる。

最近、アニメ映画を観る度に、アニメーションがどんどんアニメにしかできない表現において成長・特化している様を見せつけられる。『時かけ』も、実写じゃできない、アニメだから流れる優しい時間だったりコミカルさだったりで心がなごむ。いい映画でした。