PLAYNOTE ジェットラグ『幸せを踏みにじる幸せ』を、観たがって下さい。

2010年05月24日

ジェットラグ『幸せを踏みにじる幸せ』を、観たがって下さい。

[公演活動] 2010/05/24 22:58
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稽古写真

稽古も佳境、ってかあと2日で、芝居のフレームが見えてくると、あぁまた自分らしい芝居を作ってしまった、って感じが湧いてくる。乱暴なんだよ、作り方がいろいろさ。ごった煮なんだよ、演劇的要素がいろいろさ。バタバタしたコメディもやりたいし、淡々とした会話劇もやりたいし、やかましいバカ騒ぎもやりたいし、叙情的な台詞を謳い上げたいし。僕にしか作れない演劇です。

あと4日くらいで本番、って日程で、忙しさに窒息しそうになっているけれど、ぜひ観にいらっしゃって下さいませ。この作品は僕なりの人生讃歌、人間賛美なのだと思います。新しい戯曲を、次のステップの戯曲を、これでまた書くことができる。行きたいけど行けないよー、って方は、CoRich!の「観たい!」だけでも是非登録して頂きたい! よろしく頼むよ!

PC -> http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=18141
携帯 -> http://www.corich.jp/m/s/stage_detail.php?stage_id=18141

以下稽古雑感など。

今回の一番最初のコンセプトは、「玉置玲央(柿喰う客)をいじめよう」ってものでした。実際、二重の意味で、そういう話になっています。100分、玉置、でずっぱりで、百面相、いろんな表情が楽しめます。

玲央くんとは時間堂とかで何度かかち合っていたり、『セシウムベリー・ジャム』でゲスト出演していたりと浅からぬ縁で、顔を合わせては演劇トークで盛り上がる仲なんだが、こうして長々と現場でご一緒するのは初めて。

楽しい。玲央くんとやるのは楽しい。本当の意味で、対等かそれ以上のアーティストと仕事をしている感じがある。
「こうやって」
って言うとそうやってくれるし、
「やっぱ戻して」
って言うと戻してくれるし、
「ハイ転換」
って言うとすぐ気持ちを切り替えるし、
「こういうことがしたいんだけど、どうしたら実現できるのかわからない」
って言うと一緒にすごい考えてくれる。

最後のがとても重要。
「こういうことがしたいんだけど、どうしたらいいかな?」
演出してると「こうやって」「ああやって」「こんな感じ」ってダメ出しが増えてしまうけど、本当にクリエイティブな俳優なら、「こういうことがしたい」って言ったらあとは自分で考えてくれる。それには俳優力だけじゃなくて、演劇力とでも言うべきものが必要なんだけど、玲央くんはそれを持ってるので、楽しい。

仲代達矢が、昔ある演出家に、
「俳優は、演出家以上に勉強しなきゃならん」
と言われた、的なことをインタビューで語っていたが、マジでその通りなんだよ。

玉置は、稽古後毎日必ず一時間ジョギングをし、朝は必ず一時間ストレッチをすると言っていた。ほら、玉置よりヘタクソだったり人気なかったりする俳優は、まずそれくらいのことしてからぶつくさ言うといい。

彼は上手い下手とかいう尺度で語る以前に、演劇を愛している、そしてそれを具体的に実行している、という尺度で語られるべき人だ。

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稽古後、出演者とあーでもないこーでもないと話す機会が増える。大変に嬉しいこと。「ぐだぐだ言わずにやってみろよ」も正解だけど、「どうしたらいいかあれこれしゃべろうぜ」も正解で、どっちのスタンスも持てなくちゃいけない。とかいう演劇創造に関する要素以上に、単純に、自分が作家としてあるいは演出家として要求されているということが、嬉しい。精神的な助けになる。

今回の芝居、びっくりするような台詞で終わっています。以前、『ベツレヘム精神病院』という芝居を、「きれい。」という台詞で締めくくったことがあって、おそらくそれが僕の書いた脚本で唯一のハッピーエンドだったりします。『ベツレヘム精神病院』も、おいおいそれがハッピーエンドかよ、って終わり方ではあるんだけど。今回は、「いやいやそれはハッピーエンドじゃないでしょう」ってラストではあるけれど、終わりの言葉が死ぬほどポジティブで、こういう台本を書いた自分にちょっと苦笑したりもしています。

ただ、たぶん、自分の人生にとって、意味のある台詞なんだろうと思う。まさかこんな芝居、書くとは思わなかったな。

いかんね、センチメンタルなことを書いていては。まだまだやるべき仕事は残されているし、その先に待っている仕事もたくさんある。演劇ぶっ殺す、みたいなテンションで、まだまだ演劇悪魔を頑張ります。