PLAYNOTE エリック・マーカス『心にトゲ刺す200の花束―究極のペシミズム箴言集』

2010年04月07日

エリック・マーカス『心にトゲ刺す200の花束―究極のペシミズム箴言集』

[読書][読書] 2010/04/07 14:17

一体全体僕は金言集やら箴言集やら名言集と呼ばれる類のものが好きで、アフォリズムの作家である芥川龍之介やオスカー・ワイルドはもちろん好きで、いいこと言っちゃう気取っちゃう系の台詞を吐くシェイクスピアや富野由悠季が大好きなんだが、あれこれ買って持ってんだが、この本に至っては暗い名言ばかりを集めたトンチキ本という触れ込みであって、即買いなのである。とにかく暗い、後ろ向きで悲観的な名言ばかりが集めてある。

悲観的であることは悪いことではない。最悪の事態を想定しておけば、悪い事態が起こっても対処が利く。ただし、人生ではいつも、最悪の事態を想像しておくと、最悪以上のことが起こるから手に負えないわけだが。

以前「完全自殺マニュアル」が売れに売れたとき、著者である鶴見済は「いつでも死ねると思っておくと、逆に生きていけるような気がするものだ」みたいなことを書いていた(別に自殺に興味があるんだからこの本書きました、でいーじゃんと俺は思うんだが、そうは健全で良識的な市民たちが許してはくれないんだろう)。この本も同じように、最悪に悲観的な言葉を読むうちに、逆に心が軽くなる、という効果がある。確かにある。楽観的な言葉は、悲惨な状況にいる人間にとってはトイレットペーパー以下の価値しかない。そして、悲惨な状況にいる人間というのは、全人類の95%以上を示す。

フランク・ザッパのようなミュージシャンからゲーテのような大文学者、政治家、コメディアン、映画スター、普通の人に至るまで、いろんな人の言葉が収録されていて、誰にでもオススメできる幅の広い暗さ。いいね、うん、暗いっていいよ。