PLAYNOTE 松尾スズキ『ぬるーい地獄の歩き方』

2010年03月23日

松尾スズキ『ぬるーい地獄の歩き方』

[読書] 2010/03/23 15:04

これも失踪中に読んでいた本。立ち寄ったブックオフに置いてあって暇潰しに買った、1時間ちょっとで読めてしまった、だが面白かった。

狼は生きろ。だけど豚にも生きさせて
失恋、若ハゲ、いじめ、痔……ぬるくたって「辛がらせて!」。鬼才・松尾スズキが、切なくて哀しくおもしろい平成地獄めぐりへご案内!

人に打ち明けて許される、ある種の痛切さとか深刻さのある地獄とは違う、いや中にいる人はしんどいんだけど他人に打ち明けるにはどこか滑稽だったり胸が張れなかったりする様々な「ぬるい地獄」のエピソードを聞いて回るという本。着眼点がまず面白いんだから面白いに決まってるし、松尾スズキはこういう手抜きスレスレのぬるーいテンションで文章を書かせたら当代一の散文家であると思う。

内容的には対談集みたいになってるけど、きちんと構成してあるしダレることもないからとにかくあっという間に読める。そして、笑える。それぞれがそれぞれのぬるーい地獄を巡った自分を、話のネタにしてしまっている。

何だか居酒屋でダメエピソードを聞いているような雰囲気で、まったり読める。まったり読めるんだが、それぞれの「地獄」は、きちんと足を踏み込んでみると結構シビア。子役のエピソードとか昆布漁のエピソードとか、ほとんど「すべらない話」に近いくらい冗談めかして語られているけれど、結構しっかり地獄だよそこは。

松尾スズキのコメントもいちいち神がかっているし、ぬるーい雰囲気だけど想像以上に面白かった。